SEO費用はなぜ月10万〜150万の価格差?6タイプの分類で適正予算を見極める

シンクムーブの豊藏です。
「豊藏さん、うちのSEO予算って月20万円で適切ですか?」
この質問を受けるたび、正直言葉に詰まります。
というのも、私自身がこの価格設定の問題に7年間向き合っているからです。
「SEOの相談をしたら、ある会社は月10万円と言うし、別の会社からは月50万円と言われました。この価格差は一体何なんですか?」
「記事制作だけなら1本1万円でできるって聞いたんですが、うちには月額100万円のコンサルティングが必要だと言われて…正直、何が正解なのか分かりません」
こんな話、どこかで見かけたことがあるのではないでしょうか。
実際、SEOサービスの価格帯は月10万円から150万円以上まで、恐ろしいほどバラバラです。かといって、高額だから成果が出るわけでもなく、安価だから価値がないわけでもない。
この記事のまとめは以下のとおりです。
- 価格の差は「タイプ × 体制 × 目的」で決まる
→ プロジェクト型は作業量や記事本数ではなく、“どんな問題をどう解くか”で費用が決まる。 - 中小企業にとって費用対効果が高いのは「ロングテール拡張」と「組織開発」
→ 無理にビッグキーワードを追うより、持続的な成果と学習資産を残す選択を考えたい。 - 見積もりを見る前に「どう決める型」かを決める
→ 「何をするかを見積もる」型(請負型)と、「何をするかから一緒に決める」型(共創型)を混同しない。
つまり、“スコープを決めるための支援”が必要な会社もある。
※この記事では、シンクムーブの豊藏の過去の知見や考え方をもとに、AIでより複雑化しているSEOプロジェクトの価格に関する理解を深める目的で執筆しています。実際には商流・付加価値・体制・人・スコープといった様々な変数によって左右されます。そもそもSEOは非常に仕組み化しづらいものです。以下で記載している金額は統計調査などで出した金額ではないためあらかじめご了承ください。
なぜこれほどまでに価格差が生まれるのか

結論から言うと、SEOを軸としたWebサイトのグロースプロジェクトには大きく6つのタイプが存在し、それぞれ必要なリソース・専門性・期間が全く異なります。
まず、全体像を把握するために6つのタイプを比較表で示します
| タイプ | 特徴 | 2025年相場(目安) | 向いている企業 |
| ビッグキーワード型 | 激戦区での1位獲得を狙う総力戦 | 月70-150万円以上 | 大手・資本力のある企業 |
| ロングテール型 | 中小キーワードで流入拡大 | 月10-50万円 | 中小企業・BtoB企業 |
| テクニカル改善型 | サイト構造の最適化 | 月20-50万円 | EC・大規模サイト |
| CV最適化型 | 流入の質を高めて売上直結 | 月30-80万円 | 流入はあるがCVが少ない企業 |
| リニューアル移行型 | 流入を守りながら刷新 | 一括200-500万円 | サイト刷新予定の企業 |
| 組織開発型 | 内製化支援・伴走型 | 月15-60万円 | 長期的に取り組む中小企業 |
このほか、「相談は乗るが、実行はしないアドバイス型(月〜5万円)」など様々あります。
ここで重要なのは、これは単なる「作業量の違い」ではないということです。
「月間50万PVもあるのに、全然売上につながらない」という会社もあれば、「PV1,000〜2,000程度ですが、売上は順調」という会社もあります。
私自身、長年さまざまなSEOプロジェクトに関わってきて、痛感したのは、
- 求めるものが何なのか
- それを解決するための方針は何か
この組み合わせが無限に存在するということです。「自社に合った取り組み方法」は状況によって変わる。これが私の結論です。
SEOプロジェクトの6つのタイプ
実際にどのようなプロジェクトタイプが存在するのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. ビッグキーワード順位改善型:総力戦の世界
「クレジットカードで1位を取りたいんです」
よく耳にする声です。気持ちは痛いほど分かります。確かに、このキーワードで1位を取れば、それだけで事業が大きく変わる可能性があります。
しかし、ここで重要なのは、このキーワードを狙っているのはあなたの会社だけではないということです。
実際、ビッグキーワードを狙った案件では、競合が500キーワード以上でサジェストワードを網羅している中、自社は200キーワード程度しかカバーできていない、というケースがよくあります。
この差を埋めるだけでも、相当な投資が必要です。
1位になるために可能性があることすべてに取り組む必要がある。記事数が足りなければどんなに小さい記事も作る、競合が獲得している被リンクは全てかぶせる。優先度を切りながら総力戦で戦っていくイメージです。
| 特徴 | 具体例 | 必要な要素 |
| 検索ボリュームの高い激戦区 | 「クレジットカード」「転職エージェント」「脱毛」 | ブランド力、E-E-A-T、被リンク戦略、内部リンク最適化、コンテンツの網羅性 |
| 大手企業が競合 | 楽天カード、リクルート、ミュゼプラチナム等 | 監修者の権威性、オリジナルデータ、動画・インフォグラフィック |
| 月額費用の相場 | 100万円以上もざら | 継続的なモニタリングと改善、競合分析 |
大規模サイトの場合150万円超も珍しくありません。ただ、取り組んでいる内容を見たら、この金額でも妥当なのでは?という取り組みが、このビッグワード型です。
このようなプロジェクトは発注者側にも相応のスキルが求められ、以下のような失敗をするケースもあります。
- ドメイン権威性が弱い状態での挑戦→費用対効果が合わず撤退
- 競合分析が甘く、必要投資額を見誤る
- 短期成果を求めすぎて途中で予算打ち切り
2. ロングテール流入拡張型:最も一般的だが奥が深い
「ビッグキーワードを狙うのは効率が悪いので、事業のリードにつながるキーワードを狙っていきましょう」
という形で、検索ボリューム10〜1000程度のキーワードを狙う、最もマジョリティなSEOプロジェクトです。
相場は月10-50万円とかなり幅を持たせています。制作を自社でやるか、全て丸投げにするかによっても費用が大きく変わります。正直これは相場として書きづらいです。
コンテンツ単品で1本いくらで取り組むケースもあります。
「記事を100本作ったのに、全然流入が増えません」
こんな悩みも、よく耳にします。
このプロジェクトは記事の量産がゴールになりやすいため、注意が必要です。
本当に大切なのは
- キーワードプランニングの精度:ビジネス価値と検索ボリュームのスコアリング
- グルーピングと構成設計:どういう構造でコンテンツを配置するか
- 編集レギュレーションと品質管理:最低限の品質をどう担保するか
- 内製化の仕組み構築:持続可能な運用体制をどう作るか
これらすべてが噛み合って、初めて成果が出ます。
実際、Ahrefsのデータを見ると、蓋を開けてみたら全然役に立たないキーワードで上位表示している…というケースも少なからずあります。
このケースの失敗パターンは以下の通りです。
- キーワード選定のミスで「記事100本作っても流入ゼロ」
- AIで量産した記事の品質が低く、Googleから評価されない
- ビジネス価値の低いキーワードばかりで上位表示してもCVにつながらない
「AIでSEO記事を自動化すれば稼げる」というケースがあり、短期的には流入が増えるケースもありますが、中長期で見たらブランド価値が下がって、結果的に損をすることが多い印象です。
3. テクニカル改善型:データベース型サイトの宿命
テクニカル改善型は、Webサイトの構造やURL生成ルールなどに着目しつつ、その改善案や進め方をディレクションするプロジェクトです。相場は月20-50万円程度。
| 課題の種類 | 具体的な症状 | 改善施策例 |
| インデックス問題 | 「1万ページあるのに3000ページしかインデックスされていない」 | サイトマップ最適化、robots.txt調整 |
| 重複コンテンツ | 「地域×キーワードで量産したページが重複判定」 | canonical設定、コンテンツの差別化 |
| サイト設計 | ページが評価されない。SEOに適したサイトURLや改善方針を立てたい | 検索機能の改修要件定義、サイト構造の見直し、など |
テクニカルSEOの場合は、そのサイトが持つポテンシャル×ベストプラクティスの掛け合わせで大きなコストパフォーマンスが出せる一方、できることは時間と共に少なくなりがちです。
実際、データベース型のコンサルティングの場合は、ビジネスアセットと戦略が大きく影響を与えます。そのため、サイトリニューアルのような大規模な取り組みをしない場合は、ただ、色々な人の知見を聞く方がメリット大きくなりがちです。
このタイプで発注する場合は、自社サイトの改善相談をしたい領域や目的を明示できると、コンサル側も取り組みやすいと思います。
なお、ツールで調べればわかるエラーを指摘するケースもあります。理屈を知っている方からすると、不要な取り組みなこともあるため、テクニカルの必要性を理解しないまま発注するのは注意が必要です。
失敗パターンは以下の通りです。
- ツールが指摘する細かいエラーの修正に時間を取られすぎる
- 技術的には正しいが、ビジネスインパクトが小さい施策に終始
- 開発リソースが確保できず、提案だけで終わる
4. コンバージョン最適化型:なぜSEOで最も難しいのか
「月間10万PVもあるのに、全然売上につながらない…」
この悩み、月に何度も聞きます。流入は増えた、でもCVが増えない。経営層からは「SEOって本当に効果あるの?」という声が上がり始める。
正直に言います。SEOでコンバージョン最適化は、言葉以上に難しい。相場は月30-80万円ですが、社内調整や部門間連携の難しさを考えると、外注だけでは完結しにくい領域です。
なぜか?1〜3の手法はSEO会社に分業してもなんとかなるKPIです。でも、コンバージョン最適化は違う。戦略と実行、そして社内政治まで絡んでくる、プロダクトマネージャーに近い仕事なんです。
具体的な場面を想像してみてください。
マーケ担当者「今月はオーガニック流入が前月比120%に増加しました」



「でもさ、マーケさんから来るリード、質悪いんだよね。商談化率が10%切ってるよ」



「流入は増えてるのに、なんで売上に繋がらないの?」
こういう場面、何度も見てきました。でも、これは誰が悪いわけでもないんです。構造的な問題です。
SEOの流入は、キーワードによって「購買意欲」が最初から決まっています。
実際のデータでは、ファネル下部のキーワード(「脱毛サロン おすすめ 渋谷」など)とファネル上部のキーワード(「脱毛 歴史」など)で、CVRに145倍もの差が生まれることがあります。潜在層が0.01%に対して、明確層は1.45%──同じ1PVでも、価値が100倍以上違うんです。
これらはみんなわかっていたとしても、なかなか表立って言いにくい。だから「とにかくPVを増やせば売上も増える」と考えるプロジェクトが増える。
違います。流入の「質」を見極めることこそが、このプロジェクトの本質です。
上記理由から、Search Consoleに加えて、GTMやGA4、ヒートマップツールやLookerStudioなど、様々なツールの知識が必要です。流派が決まっていない場合は、作業量が膨大になるため、「実際にできるかどうか」をきちんと確認しましょう。(外注オンリーではできないケースの方が多いです。)
失敗パターンは以下の通りです。
- PV数だけをKPIにして、流入の質を無視
- 営業部門との連携不足で「質の悪いリード」問題が発生
- マイクロコンバージョンの設計ミスで成果が見えない
KPIについては悩みが多いので、以下の記事も読んでみてください。


5. サイトリニューアル移行型:UXと検索エンジンを繋げる仕事
「リニューアル後に流入が半減してしまった…」
実は、これも悲しいほどよく聞く話です。デザインは確かに美しくなった。でも、SEOの観点が抜け落ちていたために、積み上げてきた流入が一瞬で失われてしまう。
相場は一括で200-500万円程度。サイトリニューアル型のプロジェクトは、以下の2パターンが多いです。
- 制作会社がそのままSEOも担当するケース
- 制作会社とSEO会社が分かれて取り組むケース
まとめてやれるのが理想ですが、現実問題、両方バランスよくできる会社というのはかなり少ないです。
- 今獲得しているキーワードはどれか
- どのページが検索ニーズを満たしているか
- 新しいURLに移行するのか、そのままのURLで残すのか
- パンくずリストをどう設計するのか
- 移行した場合トラフィックを伸ばせるか
一見相反するようなことを同時に考える必要があるため、判断が非常に難しいことが多々あります。
例えば、過去に企業と共催して作ったインタビューレポート。SEO的には価値が低くても、ビジネス的には削除できない。サービスページをきれいにしたいが、重要な情報を削ってキーワードが落ちるリスクもある。
主要な失敗パターンは以下のような形です。
- 301リダイレクトの設定ミスで流入が半減
- 重要なページを誤って削除してしまう
- URL構造を大幅に変更して、検索エンジンの再評価に時間がかかる
このプロジェクトは制作費用に加えてSEO会社の責任も重大なため、費用も相応に高額になりがちです。しかし、失敗した時の損失を考えれば、必要な投資と言えるでしょう。
6. 組織・チーム開発型:本質的な内製化支援
- 「SEO担当者が退職してから、何をしたらいいか分からない」
- 「外注に月50万円払ってるけど、何をしてもらってるか説明できない」
- 「ChatGPT使えるようになったけど、結局どの記事を公開すべきか判断できない」
SEOは一昔前までは分業で取り組むことができました。キーワードプランニング、コンテンツ制作、モニタリング、レポーティング——これらをまとめて外注することで、SEOを丸々任せることができた時代がありました。
しかし現在は、ただSEO企業に依頼すれば成果を出せる、という状況ではなくなっています。
自社の事業内容、Webサイトの戦略、AIからの評価、さらには社内の政治的な調整まで。様々な変数が入り乱れ、SEOのことだけを考えていれば良い時代は終わったのです。
こうした変化の中で必要なのは、単なる外注でもなく、単なる内製化でもない。外部の専門家と共創しながら、社内に力をつけていく——そんな組織開発型のアプローチです。


こうした内製化支援の相場は、月15-40万円程度ですが、レクチャーで終わるのか、ハンズオンで終わるのか、常駐するのかによって費用感もバラバラです。
ただ、現在はAIも出てきたことによって、この辺りの需要がますます上がっていると感じます。
2025年、AIが変えた内製化の可能性
AIの登場により、これまで外注に頼らざるを得なかった作業の多くが、社内で完結できる「可能性」が生まれました。
ただし、ここで重要なのは、「AIが作業をしてくれる」ことと「実務で使える成果物が得られる」ことは全く別だということです。
- キーワードリサーチ(月10万円相当の作業が無料に)
- → ただし、ビジネス価値との紐付けは人間の判断が必要
- 記事の初稿作成(1本5万円が1,000円に)
- → ただし、そのまま公開できるレベルには到達しない
- 競合分析の下準備
- → ただし、「何を見るべきか」の設計は必要
- データの可視化
- → ただし、「どう解釈するか」は人間の仕事
実際、AIが進化すればするほど、人間の判断・編集に高度なスキルが求められます。
AIの出力をそのまま使えば良いわけではなく、むしろ「AIに何を指示するか」「AIの出力をどう磨くか」という新しい能力が必要になっていると感じます。
この変化が、内製化のハードルを下げている一方で、「AIを使いこなせる人材」という新たな壁を生んでいる、というのが2025年の現実です。
だからこそ、「AIを導入すれば内製化できる」ではなく、「AIを使いこなしながら、判断力を持った人材を育てる」という視点が、2025年の内製化には必要だと感じています。


2つの支援アプローチ:レクチャー型 vs ハイブリッド型
内製化支援には、大きく2つのアプローチがあります。
レクチャー型研修
多くの企業がまず選ぶのが、このレクチャー型です。SEOの基礎知識、記事の書き方、キーワード調査の方法——確かに体系的に学べます。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
研修で「分かった気」にはなるのですが、いざ実務に戻ると手が止まる。
「このキーワード、本当にこれでいいのか?」 「競合はこうやっているけど、うちはどうすべき?」 「記事の構成、なんかしっくりこない…」
加えて、生成AIはスピードも非常に速いです。一瞬でノウハウが陳腐化するため、継続的な勉強が求められます。
最悪のケースは、せっかく育った担当者が退職してしまい、また振り出しに戻る。結果、SEOプロジェクト自体が頓挫してしまうのです。
ハイブリッド型伴走支援という解決策
だから推奨したいのが、ハイブリッド型の伴走支援です。
これは、外部のコンサルタントが半分インハウスの担当者のような立ち位置で入り込むスタイルです。
単なる外注でも、単なる研修でもない。実際に企業の上層部と話し、事業の目的を理解し、その企業の文化や制約条件を踏まえた上で、一緒に手を動かしていく取り組みです。
具体的な役割分担の例:
- 「このフェーズはコンテンツ作りに集中しましょう。構成は私が作るので、ファクトチェックは御社でお願いします」
- 「ライターさんとのコミュニケーションで課題があるようですね。まず一緒にミーティングに入って、どういう指示出しが効果的か実演します」
- 「KPIは今ここに設定していますが、3ヶ月の実績を見る限り、こちらの指標の方が実態を表しています。変更しましょう」
月に1〜4回のミーティングを設定し、その時々の課題に応じて柔軟に対応します。
ある月はライター管理の仕組み作り、ある月は社内監修フローの最適化、またある月はGA4の設定見直し——状況とアセット(人材・予算・ツール)に合わせて、動的に変えていく必要があります。
実際に、ペイド広告依存から脱却したいスタートアップが、この共創型支援でどのように変化したか、具体的な事例を こちらの記事 で紹介しています。「バフがかかったような加速感」という表現が印象的な、リアルな支援の様子をご覧ください。


向いている企業・向いていない企業
組織は水物という言葉がある通り、この支援は、プロジェクト計画を立てる企業との相性は非常によくありません。
なぜなら、取り組む仕事内容が状況によって変わるため、幅広い対応力が求められるかつ、説明の仕方も変わるためです。
組織開発型が向いている企業
- SEOを全て丸任せするほどの予算がない
- やるべきことを社内で定義し切れない
- SEOだけではなく、Webサイト、GA4など包括的に考えたい
- R&D的なプロジェクトの進め方に経営層の理解がある
- 学習文化があり、担当者が成長意欲を持っている
内製化に向かない企業
ただし、全ての企業に内製化を勧めるわけではありません。
- 担当者が既に手一杯(内製化の時間が取れない)
- 3ヶ月で成果を求められる(内製化は最低6ヶ月必要)
- 社内に学習文化がない
- 短期的なROIだけを重視する経営方針
こういった企業は、従来型の外注の方が合っています。無理に内製化を進めても、中途半端な状態で終わってしまうリスクが高いのです。
このタイプの失敗パターン
組織開発型でよくある失敗は、以下のようなパターンです。
- ツールだけ導入して放置: 月3-5万円のSEOツールを契約しても、使いこなせずに廃棄
- 研修で終わり: レクチャー型研修を受けても、実務で手が止まって結局外注に戻る
- 人材流出でリセット: 担当者が退職して、蓄積したノウハウが全て消える
- 短期思考での断念: 3ヶ月で成果が出ないと判断し、予算を打ち切る
- 伴走なしの丸投げ: 「内製化しろ」と指示だけ出して、サポート体制がない
組織開発型は、他のタイプと比べて最も時間がかかり、最も社内の覚悟が問われるプロジェクトです。しかし、成功すれば、外注費の削減だけでなく、社内にSEOの知見が資産として残り、長期的な競争力につながります。
重要なのは、「内製化が目的」ではなく、「事業成長のために、SEOを内製化という手段で実現する」という視点を持つことです。
価格差の落とし穴:見積もりの裏側
ここまで6つのタイプを見てきましたが、実は価格差には「見積もりの構造」という落とし穴もあります。
Web制作の見積もりは基本的に「工数×単価」で決まりますが、SEOも同様です。ただし、問題は「バラ売りで安く見せかけて、結果的に高くなる」ケースが多いこと。
例えば:
- 「記事制作1本1万円」→でもキーワード選定は別料金(月5万円)
- 「コンサル月10万円」→でも実装は別(月20万円)
- 「初期設定30万円」→でも月次運用は別(月15万円)
結果、トータルで見ると月50万円になっていた…というケースも珍しくありません。
見積もりを見る際は、「何が含まれていて、何が含まれていないか」を必ず確認しましょう。
また、経験年数の長いコンサルタントほど時給が高く、グローバル市場を相手にする企業では国内市場の2倍以上の単価になることもあります。
あなたの会社に本当に必要なSEOプロジェクトを見極める3つの質問
かなり長くなってきたので、まとめます。
どうすれば適切なプロジェクトタイプを選べるのか。以下の3つの質問から始めてみてください。


1. 今、最も解決したい課題は何か?
- 特定キーワードでの上位表示?(→ビッグキーワード型)
- 全体的な流入増加?(→ロングテール型)
- 技術的な問題の解消?(→テクニカル型)
- 流入はあるのにCVが少ない?(→CV最適化型)
- サイトリニューアルを控えている?(→リニューアル型)
- 長期的に内製化したい?(→組織開発型)
2. 社内リソースの現状はどうか?
- 専任担当者はいるか?
- 予算規模はどの程度か?
- 経営層の理解度は?
- 学習に時間を割けるか?
3. 中長期的に目指したい姿は?
- 内製化を進めたい?(→組織開発型)
- 外部パートナーと協働?(→他のタイプ)
- ハイブリッド型?(→状況次第)
まずは現状把握から──小さな一歩が大きな変化を生む
「そうは言っても、うちには余裕がない…」
そう感じた方も多いのではないでしょうか?理想論を語るのは簡単ですが、現実的には予算も人員も限られているという現実があります。
一つ言えるのは、見積もりを取ることをゴールにしないことが大切です。
SEOプロジェクトは、2025年になり、形式的にできることが非常に少ないです。取り組む人や体制・範囲によっても変わるため「自社にとって必要な取り組みが何か?」を信頼できる人に相談するのが大切だと感じます。
変化の時代に必要なのは「共に考え、共に成長する」姿勢


変化の時代に必要なのは、「共に考え、共に成長する」姿勢だと考えます。
SEOプロジェクトの価格差は、単なる作業量の違いではなく、「タイプ × 体制 × 目的」──この3つの掛け算で決まります。
高い・安いという表面的な議論ではなく、「自社がどんな課題を、どんな体制で、どんな目的のために解くのか」
その設計こそが、価格を意味ある投資に変える鍵となると考えます。



もし、SEOプロジェクトの進め方でお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。30分ほどのオンライン相談会も開催しています。
時代の変化を恐れるのではなく、それを新たな価値創出のチャンスとして捉えましょう。
外部の専門知と、社内の現場知を掛け合わせ、持続可能な成長を生み出す仕組みを共に作っていく。
それが、AI時代におけるSEOの本質であり、シンクムーブが大切にしている「共創」のかたちです。
一緒に、この変化の時代を乗り越えていきましょう。








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