【イベントレポート】SEOのゲームチェンジ~AIが台頭する世界のWebマーケティング戦略~

本記事は、2025年3月開催のウェビナー「SEOのゲームチェンジ」のレポートです。COUNTER株式会社の宮田和也氏と弊社代表・豊藏翔太が、AI時代におけるSEO戦略と組織対応について徹底討論を行いました。

本記事のまとめ

  • AIの進化により、SEOは「テクニック」から「ブランド×情報体験」へとシフトしている。
  • 生成AIによるコンテンツの量産が容易になった反面、「誰が発信しているか」の信頼性がより重要に。
  • AIと人間のハイブリッドアプローチが標準となり、量と質のバランスが競争力を左右する。
  • 企業のインハウスSEO担当者には、社内外の知見を引き出す「ファシリテーター」の役割が求められる。
  • チャット型AIの台頭により、Google以外の検索チャネルも含めた総合的な発信戦略が必要に。
  • 「AI時代にSEOは不要になる」というよりも、「SEOのあり方が大きく変わる」というのが宮田氏・豊藏共通の見解。

登壇者紹介

AIの台頭により、検索エンジンを取り巻く環境は大きく変化しています。ChatGPTやClaudeといった生成AIの登場で、「どの情報を信じるか」「誰が情報を出しているか」の重要性がますます高まっています。

こうした背景のもと、法人SEOのエキスパートであるCOUNTER株式会社の宮田和也氏と弊社代表の豊藏翔太が、企業が「これからのSEOをどう位置づけ、どう推進すべきか」について議論しました。

宮田:本日のウェビナーにご参加いただきありがとうございます。カウンター株式会社の宮田です。埼玉の越谷市でWebマーケティング支援・SEOコンサルティングを提供しています。最近では生成AIにも力を入れており、自社でもAIツールを開発しています。

豊藏:シンクムーブ株式会社の豊藏です。もともとエン・ジャパンという人材会社で営業をしていて、その後ITコンサルティング会社に移り、副業後アイオイクスでSEOに携わるようになりました。2024年12月に創業したばかりの会社になります。AIとSEO、AIとウェブマーケティングの文脈で発信や支援を行っています。

SEOの変遷とAIによるゲームチェンジ

SEOはこれまでも段階的に変化してきましたが、生成AIの登場によって桁違いのインパクトがもたらされています。過去のSEO変遷と比較しながら、現在のゲームチェンジについて議論が交わされました。

このパートで登場したポイントは、以下の4つです。

豊藏:SEOにはこれまでも段階的な形の変化がありました。2000年代前半はリンク集めに偏重し、2010年代にはペナルティやオーソリティ重視へと移行。そして「良質なコンテンツ重視」へと変化していきました。さらにE-E-A-T時代となり、信頼性・専門性・ブランド・UXの重要度が増してきています。

しかし、生成AIの爆発的な普及はこれまでとは桁違いのインパクトをもたらしています。AIが瞬時にテキストを生成できるようになったことで、大量生産型のコンテンツは容易になりました。一方で、皆が同じような文章を出せるようになると、ユーザーは「どの情報が正しく」「誰の言うことなら信頼できるのか」を選別する必要が生じます。

また、AI時代のSEOの特徴として、技術的な施策の重要度が下がってきていると感じています。テクニカルSEOの各要素が検索エンジンの結果に露骨に左右される時代は過ぎつつあり、グーグルの検索エンジン自体が高度に進化してきています。意図しなくても検索エンジンの方で評価ができるようになっているんです。

また、ライティングの矛盾点についても、AIの推論モデルが進化するにつれて、論理的な文章構成や解決策を出す能力がどんどん向上しています。差別化の軸は「審美眼と責任感」になってきました。つまり、AIを使ったとしても、人間の感情にきちんと訴えかけるコンテンツを作れるか、そして最終的にそのコンテンツを出したのは誰なのかという点が重要になっていくのです。

AI普及が加速する「量」と「質」の変化

まず豊藏が”AIがもたらす変化は量と質の双方の側面で進化が進んでいる”ことを指摘。「量」の観点から見たAI活用の実態と可能性について解説しました。

量的なAIの進化の可能性

このパートで登場したポイントは、以下の3つです。

  • マルチメディア展開の容易化

豊藏:量的なAIの進化について、具体的な変化をお話しします。まず、1記事あたり数百円から数千円でコンテンツを制作できるようになりました。最近Twitterで見た例だと、1記事1.25円で作れるという極端な例もありました。APIコストのみでコンテンツ生成できる時代となり、アフィリエイトサイトなどでは量産路線が加速するでしょう。量を作る面では、人間がいくら頑張っても太刀打ちできない時代になりつつあります。

次に、AIに一度作ったコンテンツを複数チャネル向けに展開できるようになりました。例えば、SEOコンテンツを作り、それをYouTube動画用の台本に変換したり、インタビュー内容をポッドキャストにしたりといった展開が容易になっています。一つのネタからさまざまなコンテンツに展開できる点は大きな変化です。

さらに、クローリングツールと解析AIツールを連携させて、サイトデータをもとにコンテンツの常時・高速アップデートも技術的には可能になっています。サイト解析やタイトル改修を自動化し、日次レベルで更新する仕組みも実現可能です。

宮田:量的な部分ではまさに革命的変化ですね。以前なら数日かかっていた作業が数分で完了するようになり、その分リソースを別の価値創出に回せるようになりました。

質的なAIの進化の可能性

量だけでなく質的な面でもAIの進化が進んでいます。情報収集から品質チェックまで、質を高めるためのAI活用方法について議論されました。

このパートで登場したポイントは、以下の3つです。

  • ユーザーニーズとの対話による精度向上
  • 多角的視点からのコンテンツチェック

豊藏:質の部分でもAIは大きく進化しています。まず、質の高いコンテンツを作りたい場合、分析工程にAIを使うことが効率的です。従来は自分で調査やリサーチをしていましたが、ディープリサーチのようなツールを使うことで、調査のスピードと質が向上します。

次に、ユーザーとの対話ログを取り込んでニーズに合わせたコンテンツを展開できるようになりました。例えば、カスタマーサクセス部門やコールセンターのやり取りをAIに学習させることで、ユーザーの真のニーズに合ったコンテンツが作れるようになっています。

そして最後に、AI自身にペルソナを与えるという使い方が可能になりました。私も先日出した本「AI時代のSEO戦略」を書く際に実践したのですが、発刊前の原稿をレビューしてもらうために「Amazonレビュアー」のペルソナをAIに与え、様々な視点からのレビューを書いてもらいました。すると「5点で素晴らしいコンテンツです」というポジティブなレビューから、「こんなひどいコンテンツを出してマジか」といった辛口のレビューまで多様な意見が得られ、多角的なチェックが可能になりました。

宮田:そうしたアプローチにより、「どこまでがAIで、どこからが人間か」の境界線が曖昧になってきていますね。どういう形であれ、AIと人間のハイブリッドアプローチがスタンダードになるのは時間の問題だと思います。

豊藏:そうですね。AI時代による量と質の改善によって、新しい形のコンテンツ制作環境が生まれています。

ブラックボックス化するアルゴリズムと企業SEOのむずかしさ

次に豊藏は”SEOが基本的にブラックボックスである”ことを指摘。グーグルのアルゴリズムは継続的に変化し、企業のSEO担当者は対応に追われています。生成AIの登場はこの状況をさらに複雑にしており、企業内でのSEO推進の難しさについて議論しました。

このパートで登場したポイントは、以下の4つです。

  • Googleアルゴリズムのブラックボックス化
  • 「魔法の施策」の不在と継続的な試行錯誤の必要性
  • AI活用による手間の軽減と差別化の難しさ
  • 多部門連携の必要性と合意形成の重要性

豊藏:SEOって基本的にブラックボックスなんですよね。以前はある程度傾向が見やすい部分がありましたが、どんどんブラックボックス化しています。前提として、「これさえやれば絶対上がる」という魔法のレシピは存在しません。リスティング広告と比べて、SEOはどこまでこだわるか、どういう進め方をするか、ウェブサイトに何をしていくか、そういった施策や戦略、理想像がすべて変わってくるので、基本的には試行錯誤が必要なんです。

AIを使えば、キーワード分析や文章の論理構成などの機械的なプロセスは軽減されますが、一方で差別化が難しくなるジレンマも生まれています。膨大なコンテンツの中で選ばれるためには、人間目線での「本当に価値があるか」の見極めや、「この発信に自分たちが責任を持つ」というブランドの裏付けが欠かせません。

企業でSEOに取り組む場合、一人では完結しません。マーケティング部門ならブランドを考えなければならないし、経営層は全体の責任を持って投資判断をしなければなりません。IT部門はシステムのリスクヘッジを担当し、SEOやマーケティング担当者はサイトの運営や更新が必要です。そのバランスをどうとるかが、企業や組織のSEOの難しい部分です。

宮田:私も同感です。AI時代のSEOにおいて「スピードとブランドの両立」は非常に大きなテーマだと考えています。

量と質のバランスとブランド戦略の考え方

宮田氏と豊藏との対話から、コンテンツ戦略における「量」と「質」のバランスについての議論へ。市場状況に応じた優先順位の付け方について、具体的な視点でお話ししていきました。

このパートで登場したポイントは、以下の4つです。

  • 新規参入時の量産戦略
  • 競合が多い成熟市場での差別化戦略
  • YMYL領域での生成AIリスク
  • レピュテーションリスクへの配慮

宮田:量と質のバランスについては、市場の状況によって優先順位が変わります。新規参入のキーワードをとにかく網羅し、市場カバレッジを高めたいときは、AI生成で一気に記事を増やす「量」重視の戦略も有効です。

私は競合が少ないキーワードに関しては、生成AIで一気にコンテンツを作ってしまえばいいと思うタイプです。初期に多くのユーザーを獲得し、そのテーマのスコアを一時的に上げることが重要だからです。

一方、YMYL(Your Money, Your Life)などの分野で確認の甘いコンテンツを大量に公開すると、後戻りできない危険性があります。キーワードや領域によって生成AIを使うかどうか、線引きしたほうがいいでしょう。

取材記事やレポート記事、体験記事など、手の込んだコンテンツはサイトの有機性に繋がります。ユーザーエンゲージメントに大切なコンテンツなので、ここにお金をかける企業が増えると思います。

豊藏:なるほど、分かります。

宮田:ただ、インタビュー記事もAIが作れるようになるんだろうなとも思っています。

豊藏:コンテンツの品質も大切ですが、SEOのリスクを考えることも重要です。ある企業がオウンドメディアでAIが作ったコンテンツを大量に公開したとします。一時的に成果が出る反面、検索結果に表示されるコンテンツは誰に見られているかわかりません。もしネガティブなレピュテーションが事業に影響する領域だった場合、SEOの取り組み自体がリスクに繋がる可能性があるのです。

そういう領域で事業を行う企業は、丁寧にコンテンツを作るべきですね。先ほど宮田さんがおっしゃったように、オリジナルコンテンツをどのようにAIと絡めていくかは、今後のAIの技術進歩にとっても大きなテーマだと思います。

チャット型AIの普及に伴う検索行動の変化

ChatGPTなどのチャット型AIの登場により、ユーザーの検索行動が変化しつつあります。そうした変化がSEO戦略にどのような影響を与えるのか議論しました。

このパートで登場したポイントは、以下の2つです。

  • チャット型AIで完結する情報取得の増加
  • マルチチャネル戦略の必要性

宮田:検索行動にも変化が生じています。ChatGPT等のツールで答えを得てしまい、Googleの検索結果ページを踏まない層が増加している可能性があります。また、今後ますますユーザーの情報取得チャネルは分散化していくでしょう。

豊藏:この点について私は、ユーザーの行動をウェブ上でトラッキングできる時代が終わると思っています。AI系のツールはどんどん増えていますし、例えば、ChatGPTで情報を検索して、その中の引用元がクリックされた場合はトラッキングできますが、リンクをクリックせずに情報を得ている場合は測定できません。

宮田:そうですね。ですからSEO=Google対策だけに終始せず、他チャンネルも含めた総合戦略が求められます。例えば検索だけでなく、SNS内検索やBingなど、様々な検索チャネルをカバーする戦略が必要です。

豊藏:「SEO」という言葉自体が「検索エンジン最適化」を意味していますが、今後は「発信チャネル最適化」というより広い視点が必要になってくるでしょうね。結局、検索ボリュームとその効果については自社サイトに限って見ることができますし、競合に関してもサードパーティツールで調べられます。その検索需要の市場感を意識した上で、AI側のプレゼンスをどう高めていくかという戦い方になっていくと思います。

企業で取り組むにあたってROIと指標設定の変化

SEOの目的と成果指標も変化しつつあります。単純なアクセス数やコンバージョンだけでなく、ブランド価値などの定性的な指標も重要になっていることを議論しました。

このパートで登場したポイントは、以下の2つです。

  • 多様化するKPIと定性的指標の重要性
  • インハウス体制の再構築

宮田:SEOの投資対効果や指標設定についても考え方が変わってきています。例えば採用文脈でのオウンドメディア運営でインタビュー記事を作りたいというお客様がいらっしゃったりして、従来のセッション数だけでなく別の指標を設定すべきケースが増えています。

豊藏:従来はアクセス数・CV(コンバージョン)をKPIとすることが多かったですが、AI時代はオウンドメディア運用そのものに対する目的がより多様化しています。採用ブランディングやブランドリフトを狙うケースも増え、定性的指標も含めたKPI設計が必要になっています。

ただ、ここって本当に、どこまで指標を広げていくのかを考えると、どうしても数式の話になります。どういう数字を信じるかというところがすごく重要になってきます。SEOという領域で受けているけど、さらに上流のところまでやっていくと、どんどん細かくなる一方で、数値で把握できない部分もあります。この折り合いをどうつけるかは頭を使う領域です。

宮田:その通りです。また、AI導入によって短縮できる工程を見極め、その分のリソースを企画・独自性の創出・ブランド強化に回せるよう組織設計することが重要です。インハウス体制の再構築がカギになると思います。

組織横断で用いるAIの活用法

AI活用は単なるツール導入ではなく、組織全体での取り組みが重要になります。部門間連携やノウハウ共有について議論しました。

このパートで登場したポイントは、以下の3つです。

  • 部門間データ連携の重要性
  • NDAやガバナンスへの配慮
  • 小さく始めて実践知を蓄積する方法

豊藏:大手企業の場合、部門間の連携がポイントになります。例えば、CS部門のユーザーインサイトや、コールセンターログなどをAIに学習させることで、SEO向けコンテンツの深みを増すことができます。

宮田:それを踏まえた上で、「顧客体験やブランドメッセージを届けるための体制」をどう作るかという論点は非常に難しいと感じています。例えばCSからヒアリングした内容をAIで活用しようと思っても、実際にどう作ればいいのか非常に難しいんです。外注の方に丸投げでは追いつかない。社内に入り込まないと実現は困難です。

また、そのためには、NDAやガバナンスの制約をクリアする工夫や、社内への啓蒙・プロンプト活用の共有が欠かせません。最近は「社内AI推進」担当の方も増えていて、既存の業務フローをAIでどう改善するかという役割が登場しています。

豊藏:どこから手をつけていいかわからない場合でも、「まずは小さく実験してノウハウを蓄える」ことが重要です。メンバー各自が少しずつ実験し、成果や失敗事例を社内で共有するサイクルを回していくことで、組織全体のAI活用が進んでいきます。

宮田:その通りです。いきなり大規模導入を目指すより、まず「AIを使う習慣」づくりから始めることが効果的だと思います。あとは間違いなく競合がこれをやり始めた時に勝てなくなるという視点も重要です。自社のインサイトデータを掘り起こしてAIに学習させた企業が競争で勝つ時代です。

AI時代のSEO担当者のキャリアとスキル

「AIによってSEO職は不要になるのでは?」という懸念に対して、SEO担当者の役割の変化と今後求められるスキルについて議論しました。

このパートで登場したポイントは、以下の2つです。

  • SEO×AI×他スキルの複合的価値
  • ファシリテーター的役割への進化

豊藏:AIを使いこなすメタスキルの習得も重要になってきています。プロンプトエンジニアリングのように、AIを正しく使うスキルが求められるでしょう。

純粋な”検索アルゴリズム対策”というより、「コンテンツ企画」「ブランド体験設計」「インハウス推進のファシリテーター」的ポジションへアップデートしていくことが望ましいでしょうね。SEO担当者が社内外のファシリテーターになれるかどうかが、今後ますます重要になると思います。

また、実際にAIを組織に定着させるには、個人の習得とはまた別の課題があります。例えばオンボーディングの仕組みを整えたり、チームでの活用事例の共有を促進したりすることが必要です。「他の人がこういう風にやったからできるんだ、じゃあやってみよう」という相乗効果をどう生み出すかが鍵になります。既存の業務フローにAIをどう組み込めるかも重要です。

宮田:「SEO職は危険では?」という質問をよく受けますが、市場規模や競合状況が変わりつつあるのは事実だとしても、「SEO×AI×(他スキル)」を活かせる人材はむしろ重宝される可能性があると思います。

ただし、AI利用のスキルについては、プロンプトを渡すことはできても、実際に自分で作るとなると難しい部分があります。教育だけでは埋まらないと思っています。結局、好奇心や、失敗を受け入れる勇気、失敗を繰り返しても面白いと思えるところが重要です。やってみないと身につかないので、暇な時間を作って試すことが大切です。

<Q&A>

【質問1】品質担保と量産を両立させるには?

宮田:AI生成による執筆をベースにし、人間はチェック(検証・肉付け)に集中する体制を整えることが大切です。監修者や社内の専門家を巻き込む場合は、あらかじめ「どの基準で合否を判定するのか」を明確化しておくことをお勧めします。

豊藏:そうですね。チェックポイントを明確にすることで、効率的な品質管理が可能になります。

【質問2】既に競合が多く、差別化が難しい領域ではどうする?

宮田:企業独自の一次データ、ユーザーアンケート、顧客事例などを駆使して”ここでしか見られない情報”を出すことが重要です。

【質問3】チャット型AIが広まると、検索順位がそもそも意味をなさなくなる?

宮田:短期的には検索が大幅に消失することは考えにくいですが、Google以外の検索チャンネル(Bing, SNS内検索など)が台頭する可能性は高いと思います。「SEO」も含めた「発信チャネル戦略」として考え、どのプラットフォームでユーザーが情報を取得するかを俯瞰しておくことが大切です。

豊藏:検索チャネルの多様化は確実に進むでしょう。これまでSEO会社はグーグルとヤフー、一部Bingを見ていましたが、今後はTwitterや他のAIツールなどのプラットフォームも含めて考える必要があります。どのツールが使いやすいかというユーザビリティやトレンドの問題と、どのプラットフォームではどの情報ソースをメインで活用するかという問題があります、例えばiPhoneのデフォルトブラウザがどの検索エンジンを使うかなど、インフラ側の選択によって市場は変わります。

【質問4】組織内でのAI活用推進方法は?

豊藏:メンバー各自が少しずつ実験し、成果や失敗事例を社内で共有するサイクルを回すことが効果的です。いきなり大規模導入を目指すより、まず「AIを使う習慣」づくりから始めることをお勧めします。

宮田:私も同感です。小さく始めて、成功体験を積み重ねていくアプローチが実践的だと思います。

まとめ

他にもたくさんの質問を頂き、全ての質問に回答しました。ディスカッションが中心のセミナーでしたので、質問の内容も非常に濃く、学びになる点も多かったセミナーでした。

本セミナーを通して、宮田氏と豊藏が共に強調したのは以下の点です。

AIで作業効率が大幅に向上する反面、誰でも似たアウトプットを生みやすい時代になりました。結果的に「どの企業(ブランド)が」「何に責任をもって」情報を発信するのかが、信頼獲得の生命線となっています。

SEOは”検索アルゴリズム対策”という狭い視点を超えて、企業ブランディング、組織横断の合意形成&データ活用、ユーザー体験設計と密接に絡み合うテーマに変貌しています。

つまり「AIの台頭でSEOは不要になる」というよりは、「SEOのあり方が大きく変わる」というのがセミナー全体のメッセージでした。特に企業のインハウス担当者は、AIを活用して生産性を上げながら、社内に点在するデータやノウハウ、他部署の知見を引き出し、“最終責任を負う情報発信”をどう実現するかがカギになっていくでしょう。

AIでできることは機械に任せ、人間ならではの価値を高める――この方針をいかに組織に浸透させるかが勝負どころです。

参考情報・関連リンク

COUNTER株式会社宮田 和也 氏)
Webマーケティング支援・SEOコンサルティングを主軸としつつ、生成AI導入にも注力

シンクムーブ株式会社豊藏 翔太
SEO・AI活用・インハウス支援などを含めた「組織を動かす」ファシリテーションが強み
著書「AI時代のSEO戦略-組織を動かし成果を引き寄せる実務マネジメント(Amazon)

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この記事を書いた人

シンクムーブ株式会社は人間ならではの洞察力・共感力とIT・SEO・AIの力を組み合わせてマーケティングの価値を最大化する会社です。

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