AI時代に求められるマーケ支援は『共創型』?ペイド依存のスタートアップが実感した『バフがかかる』加速感とは?

マーケティング施策は動いているはずなのに、なぜか前に進んでいる実感がない。相談相手がいない孤独感に、打ち手の不明瞭さ。社内コミュニケーションのストレスも重なり、気づけば全てが「自分待ち」で止まってしまう……。

もし、こうした状況に覚えがあるなら、ぜひ読んでみてください。本記事では、シンクムーブの「インハウスマーケティング共創支援」を活用した、あるスタートアップのマーケティング担当者が語るリアルな体験を紹介します。

共創型支援とは?
クライアントの中にある仮説や問いを一緒に言語化・構造化し、意思決定や実行まで前に進めていく「伴走型R&D」のような支援スタイルです。

※当記事は、なるべく現場の状況を解像度を高くお話頂くため、意図的に匿名で作成しています。実在するマーケティング環境のリアルな雰囲気を共有出来れば幸いです。

  • ペイド広告依存をどう打開?
    → “共創型支援”で止まっていたプロジェクトが再始動。
  • 「バフがかかったような加速感」の理由
    → 「何から手をつければいいのか?」状態から具体アクションがどんどん明確に。
  • 上司でも部下でもない共創パートナーだからこその適度な緊張感
    → “手を止めて考える時間”と“手を動かして走る時間”を行き来できる支援スタイル。
  • 優秀な一人マーケターの孤独を解消、心理的ストレスを激減
    → 社内外のコミュニケーション負荷を軽減し、本来の業務に集中できる。
  • SEOだけでなく、SNS・オフライン施策にも応用可
    → “定量と定性”の両面を柔軟にサポートできる共創型のメリット。

プロフィール

インタビュアー(質問):豊藏 翔太
マーケティング支援の立場から、今回のSEO/メディア施策を伴走している。

インタビュイー(回答):山野様(仮名)
人材サービス(HR領域)を展開するスタートアップのマーケティング担当。
資金調達後、ペイド依存を脱却すべく、オーガニック施策を本格化している。

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1. ペイド広告に依存したマーケティングに限界感。スタートアップの現実

豊藏

山野さん、まずはオーガニック施策を導入する前のマーケティング体制や課題感について教えてもらえますか?

山野:
正直、かなりカオスな状態でした。うちの会社は当時、ペイド広告(特にFacebook/Instagram)に全面依存していて、無料カウンセリングが獲得できないと数ヶ月先の売上も立たない。

投資家からも「危ないから早く他のチャネルを」と言われるのですが、「じゃあどうオーガニックを育てるの?」という具体方針やノウハウ、人材が一切ない状況でした。
そういう「やらなきゃいけないのは分かるのに、やり方が分からない」状況がすごくもどかしかったですね。

2. 「代理店に任せたのに上手くいかない」―現場で起きていた“〇〇任せ”の悲劇

豊藏

外部代理店も試されたそうですね。そこでは何が起きたのでしょう?

山野:
広告代理店は、投資家の紹介で3社くらい短期間に渡り歩きました。「ここなら結果が出るんじゃない?」って期待して始めても、LP制作を分離発注したり、運用が思うように伸びなかったり…。
社内で広告をまとめて見る人がいなかったので、担当が管掌役員になってしまう。だけど役員も他の業務で忙しくて、ほとんど代理店任せになってしまう。

「なんかイマイチうまくいかない」と管掌役員に相談されて、自分も業務を兼業しながら見ていましたが本当に大変でした。

豊藏

担当者が誰もいないというのは相当厳しいですよね。それを踏まえて「やっぱりオーガニックちゃんとやらないとヤバい」となったのはいつぐらいだったんでしょう?

山野:
今年(2025年)の1月〜2月ですね。シリーズAである程度の調達が見えてきて、投資家や社長から「そろそろペイド一辺倒は卒業しなきゃ」とプレッシャーが本格化しました。
「メディアを作る? サービスサイトをリニューアルする?」みたいなアイデアが出るものの、具体的に何を作るか、どう運営するかは誰も知らない。そこで僕も本腰を入れて外部に頼ろうと考え始めたわけです。

3. なぜ「一般的なSEOコンサル」ではダメなのか?HR領域スタートアップが選んだ共創型の決め手

豊藏

いわゆる「SEOコンサル会社」を検討する選択肢もあったかと思いますが、それをしなかったのはなぜですか?

山野:
実は最初から“いわゆるSEO会社”はあまり選択肢に入りませんでした。過去に広告代理店を替えてきた経験から、“他社事例の横展開”だけでは自社の独自性を活かしきれないと感じていたからです。
うちはHR領域と言っても、少し特殊なモデルを扱っていて、既存のセオリーだけでは測れない強みがある。それを「他社成功事例はこうだから、こういうキーワードでコンテンツ書きましょう」みたいにやってしまうと、絶対つまらないメディアになるんじゃないか…という懸念が大きかったですね。

豊藏

“つまらないメディアになる”とは、具体的にどういうイメージでしょう?

山野:
たとえば、ただ検索上位を狙うキーワードを大量に洗い出して記事量産するだけ、というパターンですね。読者が読んでも「あ、こういうふうにSEOを狙って作ってるんだな」って感じが透けちゃう感じ。
単純にPVが増えたとしても、本当の意味でブランドが育たなかったり、ユーザーの気持ちを動かせない可能性があるじゃないですか。
うちは投資家や社長から「何のためにこのサービスをやってるんだ」「独自の良さは?」と常に問われるので、そこに答えられるメディアを作りたい、という思いが強かったんです。

4. 「何が分からないかも分からない」状態から、具体アクションが見えるまでのリアルな過程

豊藏

ありがとうございます。実際にプロジェクトが始まったとき、どんな状況だったか再度お伺いしても良いですか?

山野:
ご存じの通り最初は、もうめちゃくちゃでした(笑)。

「サイトのリニューアルが必要」「メディアを立ち上げたい」「サービスのメッセージを整理したい」とか、いろんなトピックが同時並行で動いているのに、誰がどこまで考えて決めるのかが不明確。 僕自身、社内での役割としては「オーガニック担当」とは言われるけど、何をどう詰めるのかすら手探りなんですよ。

そこで豊藏さんとの定例会で「今困っていることは何ですか?」って聞かれた時に、初めて「こういう部分が分からない」「社長からはこう言われてる」みたいな情報をペラペラ話すと、「じゃあまずはコンセプトのラフを言葉にしてみましょうか」とか「サービス特徴を3つに整理してみましょう」とか、質問を投げかけながら、考えを引き出してくれたんです。

それで「あ、自分はここが分かってなかったんだ」と気づいて、一歩ずつ進んでいけた感じですね。“バフ”がかかったというか、それまで頭の中で複雑に絡まっていたものが一気にほぐされて、「あ、これなら動けるぞ!」と実感が湧きました。

豊藏

確かに、当初は「何が分からないのかも分からない」状態でしたよね(笑)。いちばん大変だったのはどこでしたか?

山野:
社内とのコミュニケーションにものすごく気を使うんですよ。上司や社長に提案するには、それなりに根拠が要るし、部下がいれば手戻りを減らすためにめちゃくちゃ丁寧に指示しなきゃいけない。
結局その板挟みで「自分がまず何をすべきか」すら見えなくなる。そこで外部の目線から“草案”をポンと作ってもらえると、まるでゲームでステータスが上がるように視界がクリアになって、短時間で次のアクションが決まるのは本当に助かりました。

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5. なぜ“数字重視のSEO”では限界があるのか?スタートアップが目指す“ユーザーの心を動かすメディア”と

豊藏

少し踏み込んでお聞きしたいのが、さっきおっしゃった“血が通ったメディア”とか“独自の魅力”って、どうすれば実現できると思っていますか?

山野:
まだ試行錯誤中ですけど、「ユーザーにただ役立つだけでなく、何か心が動く体験」を提供できるかだと思います。
SEOのアルゴリズムが高度化し、キーワードを詰め込むだけでは評価されない時代。だったら最初から「本当に面白いと思えるテーマは何か」「HR領域だからこそ語れるものは?」と突き詰めたほうが、結果的にブランド力やユーザーの共感も得られるはず。そう期待してますね。

豊藏

そうなると、最初からKPI・KGIをガチガチに作るのは難しいですよね。投資家や社長に数値を求められる不安はありませんでした?

山野:
そこは多少の不安は正直あります。でも、やってみないと分からない部分が大きいし、むしろ「最初は行動目標やコンテンツ数の目標ぐらいを決めて、半年後ぐらいからしっかり数値を追えばいい」と考えています。

そういう進め方を「共感してくれる外部パートナー」に出会えたのが大きいですね。もし最初から「じゃあ検索ボリューム1万のキーワードで◯本記事作りましょう」という指示型だけだったら、事業の想いを殺してしまう気がしています。

SEOも、AI Overviewの登場などで大きく変わりつつあります。たとえ検索順位が上がっても、CTR(クリック率)は下がっている現実がある。だからこそ、はじめから完璧を目指すのではなく、走りながら調整していくスタンスが今は大切だと感じています。

6. “共創型支援”でプロジェクトが止まらなくなった理由。AI時代にあるべきコンテンツを共創する状態へ。

豊藏

いま共創型支援を導入してみて、一番の違いは何でしょう?

山野:
プロジェクトが止まらないこと、これに尽きます。
多分、共創型支援がなければ、僕自身が「次までに何を作ればいいのか」「社長に何を見せればOKが出るのか」を社内で行ったり来たりして、1〜2ヶ月は余裕でスタックしていたと思います。

でも今は、シンクムーブさんと話す中で毎回「次、ここまで作って社内に投げましょう」「そのためのドキュメントはここまで一緒に作っちゃいましょう」と自然に進む。

手戻りしないし、結果としてWBSどおりにサイト公開ができそうなんです。淡々と進行する安心感があります。

豊藏

それは嬉しいですね。逆に「こういう部分はもっとやりたい」とか「こういうことまでサポートしてほしい」という希望はありますか?

山野:
「実際にメディアを運用し始めた後のSEO最適化」や「ユーザー体験向上」の部分も、さらに具体的に一緒にやりたいですね。

最初は「何をやるか」決める段階でしたが、今後は運用面や作業レベルでも支援があると、すごく心強いです。いま週10本ペースで「自社の思想が通ったSEO構成案」を共創しているので、意味のあるオウンドメディアが作れそうでワクワクしています。

7. 孤独な「一人マーケター」にこそ効果的な支援スタイル。定量と定性を両立させる方法

豊藏

最後に、今回のようなインハウスマーケティング共創支援は、どんな人や企業に特に合うと思いますか?

山野:
特に、マーケティング責任を持ちながらも、社内に“思考の相手”がいない、あるいは複雑な判断を一人で抱えがちな方には強くフィットすると感じます。

また、数字を追うだけでなく「サービスの魅力」「顧客が本当に欲しい情報」を深く考えたい企業にも合う。

変化の必要なフェーズにて、テンプレ的な作業発注ではなく、初期の企画や方向性の整理から並走してもらえるのが本当に大きいと思います。

豊藏

お褒めの言葉頂きありがとうございます。引き続き緊張感と適度な遊びを大事にしつつ、ご支援ご一緒出来れば幸いです。お話を聞かせていただきありがとうございました!

8. 「従来の進め方では通用しない」時代に、共創型支援がフィットする理由

豊藏(編集者より):
今回ご一緒して強く感じたのは、「何をやるべきかが分からない」のではなく、「従来のやり方で本当に成果が出るのか不安」という、責任ある立場のマーケターならではの葛藤でした。

山野さんのように、マーケ知見や思考力がある方ほど、「上からは数値責任を問われ、下からは納得感ある説明を求められる」立場に置かれやすいです。しかも今は、AIやSEOの変化、メディア接触の変容など、誰も正解を持たない時代です。

だからこそ、「これで本当に良いのか?」という問いを持ち続けながらも、一人で抱え込まず、共に仮説を立て、試し、言葉にしていく“共創のスタイル”が必要だと感じました。

共創型支援とは、単なるアドバイザーでも、作業代行者でもありません。変化に向き合う「思考と実行のR&Dパートナー」として、優秀な担当者が“動ける状態”を一緒に作っていく形を目指しています。

今後、メディア運営が進んでいくなかで、SEOだけでなくSNSやオフラインイベントなど、さまざまなチャネルとの連携を検討されるでしょう。そこでも「何をどう進めればいいのか?」という壁に当たることがあるかもしれませんが、共創型支援のスタイルを活かせば、余計な手戻りやストレスなく、楽しく意味を持って前に進められると期待しています。

私自身も、山野さんからの率直な意見をいただくことで学びが多く、非常にワクワクするプロジェクトです。今後、企業の成長とともにメディアがどのように活かされ、ユーザーの反応を得ていくか、一緒に作り上げていければ嬉しいです。

この記事を読んでくださったあなたも、もし、今のマーケティングに「進まない」「分からない」「説明できない」といった詰まりを感じているなら、一度“共創型”という選択肢を考えてみてください。お待ちしてます!

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この記事を書いた人

豊藏 翔太のアバター 豊藏 翔太 代表取締役

シンクムーブ株式会社 代表取締役Webコンサルタント
アイオイクス株式会社Webコンサルティング事業部 フェロー

法政大学経営学部卒業後、エン・ジャパン株式会社でセールス、商社系SIerにてITコンサルタントとして勤務後、アイオイクスにてIT/WEB・人材・小売など様々なサイトのセールス/コンサルタント業務を行う。アフィリエイト経験とコンサル経験を活かした、実務に落ちるプロジェクト設計力が強み。

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