インハウスSEOをAIで進めるには?少人数で回す仕事の分け方

インハウスSEOとは、SEOの企画・実行・改善を社内で進めることです。AIを使うなら、検索データの整理、構成、下書きを任せながら、自社の情報と公開判断を人が受け持つ形から始められます。
ただ、自分でも記事を作っていて、文章ができることと、そのまま出せることは結構違うなと感じています。
Claude Codeに書かせたら、内部リンクにローカルのMDファイルが入っていたり。書きたいテーマよりも、作業環境全体の話を拾って、記事が広がってしまったり。出てきたものを読んで、そこからまた直すことがありました。
じゃあ、少人数のチームでどう使うか。
今回は、検索データから記事を1本改善する流れで考えてみます。記事を増やす前に、AIへ何を渡すと作業が進んで、人はどこを見る必要があるのか。その分け方を整理したいと思います。
📘 インハウスSEOの組織づくりを学ぶ → ThinkMove Academy(無料)
いきなり書かせるより、先に自分の経験を話す
AIにテーマを渡せば、見出しも本文も返ってきます。文章としては整っている。でも、それを自社の名前で出すとなると、もう少し欲しい。

たとえば「SEO内製化」の記事なら、実際にどの仕事を社内でやっているのか。どこで止まったのか。何を外部に相談したのか。そういう話がないと、他の会社の記事と似てきます。
僕が制作したAI活用の講座では、記事の前に、AIが作った質問へ音声入力で答える工程を入れました。自社の経験や、選んだ理由を話して、それから下書きにする流れです。
最初から原稿を書く必要はありません。
「記事を作るとき、どこで確認待ちになりますか」「AIの原稿で、そのまま使えなかった部分はありますか」「そのあと、何を変えましたか」。こう聞かれると、具体的な場面を思い出せることがあります。
このあたりを話してから、AIに整理を頼む。実際にあったこと、自分の考え、まだ確認が必要なことに分けてもらえば、記事に使える材料が見えてきます。
社外へ出せない情報は先に外しておきます。商品や顧客について確認が必要なら、その箇所を担当者へ戻す。話したことを全部そのまま載せるわけではありません。
キーワードは集まる。でも、そのまま記事にはならない
OpenSEOで「SEO 内製化」の関連語を調べたときは、300件取得できました。ただ、途中から関係の薄い語も混ざっていました。

「SEO」のような広い語で調べると、定義、資格、求人、ツールまで入ってくる。表記が違うだけのキーワードも別々に並びます。たくさん取れるのは便利なんですが、全部を制作リストにするわけにはいきません。
既存記事を直すなら、まずSearch Consoleのデータと今の記事を並べるところからでよいと思います。対象ページと期間を決め、検索語、表示回数、クリック数を取り出します。
ここでAIに頼みたいのは、検索者の質問と、本文の答えの照合です。たとえば、こんな指示になります。
この検索データと記事を見て、検索者の質問を分類してください。本文が答えていることと、答えていないことを分けてください。まず既存記事の改善を検討し、新規記事が必要なら理由を付けてください。
これは依頼文の例です。返ってきた分類を見ながら、実際の検索結果も開いてみます。進め方を知りたいのか、支援会社を探しているのか。後者なら、記事よりサービスページを直したほうが合う場合もあります。
たとえば、検索者は「何を社内へ移せばいいか」を知りたいのに、記事には内製化のメリットしか書いていない。そんな状態なら、分担の具体例を加える余地があります。これは改善箇所を考えるための仮例です。
ここで決めたいのは、「この記事を読むと、自社のSEO業務の分担を決められる」という1文。検索数だけ見ていたときより、何を書けばよいかが具体的になります。
構成・執筆・レビューを、別の仕事として渡す
今回の制作では、構成作成、記事執筆、レビューの3エージェントに分けて試しています。これで検索成果が出た、という話ではありません。どこで直す必要が出たかを見ながら、進め方を調整している段階です。

構成担当には、検索者の質問と一次素材を渡す。執筆担当には、確認した構成を渡す。レビュー担当には、本文だけでなく元の素材も渡す。
同じ「記事を作って」でも、任せたい仕事はそれぞれ違います。
構成は、見出しだけで終わらせない
「内製化の進め方」という見出しだけだと、本文を書く人が中身を考え直すことになります。だから、見出しの下に何を答えるかまで欲しい。
今回の仮例なら、質問は「どの仕事を社内に残すか」。答えは「テーマの優先順位と事実確認は社内で担い、調査や執筆は状況に応じて外部も使う」。そこに、実際の分担や止まった工程を入れる。
ここまで書けると、足りないのが説明なのか、そもそも経験の材料なのかが分かります。材料がなければ、本文へ進む前に質問を返してもらいます。
執筆は、決まった答えを読める形にする
執筆担当には、構成と素材、文体のルールを渡します。読みやすくする作業は任せたい。ただ、素材にない成功談まで補ってほしいわけではありません。
「担当を明確にする」と書かれていたら、それで読者が動けるかを見ます。今回なら、テーマを選ぶ人、商品情報を見る人、公開する人まで挙げてほしい。言葉を整えるより、具体を足すほうが役に立つ場面です。
自社でやったことと、今回提案している方法も分けます。分担の提案を、いつの間にか工数削減の実績に変えていないか。ここは人が読むところです。
レビューには、元の材料も見てもらう
構成ができたときに一度、本文ができたあとにもう一度、レビューを入れます。
本文だけ読むと、自然な説明はそのまま通りがちです。元の資料と比べて数字が合うか、構成で約束した記入例が入っているか、公開URLが開くか。確かめる対象を具体的に渡します。
AIが「合格です」と返してきても、その一言だけでは判断しづらい。どこを見て、何を直したのかが分かる形にして、最後は人が公開を決めます。
AIが作った専門用語を、次の指示に戻した
当社が支援したある社内チームでも、AIが実在しない専門用語を作ってしまうことがありました。担当者にはSEOの経験があり、自分たちで施策を進めていたチームです。

その表現だけ直して終わりにせず、なぜそう出力されたのかを一緒に分析し、次の生成で使う指示へ反映しました。出力を安定させようと長くなっていた指示文も、複雑にしすぎないよう見直しています。
「もっと正確に書いて」だけでは、何が正しくなったかも分かりません。専門用語なら元資料と照合する。リンクなら実際に開く。失敗した場所を、次に見る項目へ戻していきます。
公開したら、また検索データへ戻る
記事を公開したあとは、何を変えたかと変更日を残して、Search Consoleへ戻ります。狙っていた検索で表示されたか、クリックされたか。問い合わせにつながったかは、計測設定を確認したうえでGA4などを見る流れです。

AIには変更前後のデータを渡します。このとき、期間と対象URLをそろえておかないと、数字の増減を読んでも話がズレます。
たとえば「増減した検索語を整理して、データから分かる事実と、原因の仮説を分けてください」と頼む。原因を言い切ってもらうより、次に何を調べればいいかを出してもらう使い方です。
分担の説明を足したなら、その質問で読まれるようになったかを見る。表示されないなら、そもそもページがインデックスされているかも調べる。数字が動いていても、需要や季節の影響かもしれません。
僕が作った講座の最後にも、新しく作る、既存ページを直す、今は保留する、という選択を入れました。AIを使うと案は増えますが、その全部に手をつける必要はないと思っています。
最初の1本で、どこに時間がかかるかを見る
費用はAIの利用料だけではありません。素材を出す時間、原稿を読む時間、修正、公開。必要なら外部の確認も入ります。

だから最初は、既存記事1本で一巡させて、それぞれにかかった時間を残す進め方を提案します。下書きは速いのに、確認で止まるのか。構成に戻る修正が多いのか。そこが分からないまま本数を増やすと、読むものだけ積み上がってしまいます。
最初の1か月に1本の改善を置くのも、作業を試す目安です。検索成果が出る期間や、内製化が終わる期間とは分けて考えてください。
社内で同じ工程を繰り返せるようになったら、外部の確認を減らすことも考えられます。記事制作は社内で進め、大きなURL変更や開発が必要なところは専門家と相談する形でも構いません。
AIで下書きができる。その先で、自分たちの名前で出せるところまで持っていけるか。まず1本、公開後の数字を見るところまで回してみると、自社で任せたい仕事が見えてくると思います。
自社のSEOで、AIと社内の役割を整理したい方へ。当社のインハウスマーケティング共創支援で支援内容を紹介しています。




