【イベントレポート】オンラインBarで語る生成AI×マーケティング


以下のレポートは、2025年2月13日(木)に開催された「オンラインBarで語る生成AI×マーケティング」のイベント内容をもとに作成したものです。


オンラインBar形式のゆるい雰囲気の中で、広告運用やSEO、コミュニティ運営やイベント開催など、幅広いマーケティング領域における生成AIの活用事例や課題、そして今後の展望について語られました。

※本記事は、開催したイベントの録画を元にAIツールを用いた上で編集・作成いたしました。

登壇者の紹介

豊藏 翔太

シンクムーブ株式会社 代表取締役/Webコンサルタント。SEO×AIプロジェクトが強み。アイオイクス株式会社フェロー・COUNTER株式会社の生成AIアドバイザーなども兼任し、著書に『AI時代のSEO戦略──組織を動かし成果を引き寄せる実務マネジメント』がある。

あやみ

スタートアップでマーケティング業務に従事。ChatGPTなど最新AI活用法をSNSやイベントで積極的に発信。生成AIをテーマにしたコミュニティ運営や各種イベント(AIカフェやAI忘年会など)の開催経験も豊富。


オープニング

AI×マーケティング コミュニティとは?

あやみさんは「AI×マーケティング」領域に興味を持つマーケターやクリエイターをつなぐコミュニティを運営し、現在1500名以上が参加しています。企業や個人が実務で使った生成AIノウハウ・成功事例・失敗談などをシェアできる場を目指しています。

イベントの狙い

  • 広告やSEOがAIによってどんな変化を起こしているのか?
  • 具体的な使い方、導入時のコツ・落とし穴をラフに交換し合おう。
  • とりあえず「お酒を片手にワイワイ語り合いたい!」

こうした熱量が背景にあり、オンラインBarという肩の力を抜いた形式での開催となりました。


あやみさんのライトニングトーク

あやみさんは広告運用を中心にマーケティングを担当しており、実際の仕事で生成AIを取り入れてみたリアルな声を紹介しました。

1. 広告コピー作成でのAI活用

  • ベネフィット転換
    広告コピーを作るうえでは「機能のアピール」ではなく「ユーザーが得られる価値(ベネフィット)」をどう言語化するかが重要。
    ChatGPTのような生成AIで、製品・サービスの機能一覧を入力して「これをユーザーにとってわかりやすいベネフィット表現に変換して」と指示すると、驚くほど手早くキャッチコピー案が出る。
  • ただし最終チェックは人間が必要
    ユーザーが本当に共感するかどうか、どの角度で価値を伝えるべきかは、依然としてマーケターやチームメンバーの判断が要。AIの提案を“下地”とし、実際の運用やテストで調整していく流れが現実的。

2. 画像バナー・ヒートマップの分析

  • GPT-4や類似モデルがマルチモーダル機能を持ち始めたことで、画像データを直接分析する使い方が可能に。
  • 例えば、サイトのヒートマップ画像をAIに投げ込んで「どこがクリックされやすい? ここは改善の余地はある?」などを聞くだけでも、手軽に改善アイデアを得られる。
  • 以前なら外部ツールや手動チェックを要していたが、汎用生成AIが取り込んで要約・提案してくれるのは革命的。

3. 小規模なWebデザインやコード生成

  • バナー1枚やLPの一部セクションなど、ごく短い範囲のデザインを作る場合にAIを活用。
  • 「ヘッダーだけ」「CTAボタン部分だけ」など、わずかな範囲であればAIが出力したCSSやHTMLを貼り付けて使えるケースも多く、制作コストが大幅に下がる。

4. 「いまいち活用が難しい」事例も

  • フレームワーク使ったマーケ分析(3C分析・STP分析など)
    AIに丸投げするとそれらしい出力は得られるが、結局は入力情報(自社顧客、競合の具体的データ)が甘いと中身のある考察にはつながりにくい。
  • GA4の設定ガイド
    「どう設定すればいい?」「トラッキングのタグ実装は?」などをAIに聞いても、画面操作や実装手順が複雑なので結局は人力調整が必要になる。
    「Googleの公式マニュアルを読むよりは早いが、それでも詰まることがある」ため、今後の特化型AIに期待。

「評価する力」がないとAIは使いこなせない

AIはいくらでも案を出せるが、それを「どの基準で良し悪しを判断し、どう方向修正するか」は人間の役割。

例えばテレビCMのコピーをAIに任せても、評価基準やゴールが明確でなければ「結局どれが最適か?」が定まらない。

  • 「評価できるもの」と「評価基準を持たないもの」は切り分けが必要。
  • 良し悪しを判断できるドメインの業務に使えば効率爆上がり。
  • 逆にテレビCMのような大規模案件では、AIが出してきたアイデアを評価しきれないため運用しづらい。
  • ベースとなる評価基準をAIに先にリスト化させてからアウトプットさせる、という工夫も有効。

豊藏さんのライトニングトーク

SEOコンサルタントである豊藏さんが、生成AI時代のSEOのリアルを語りました。

1. 「AIによる大量コンテンツ生成=高品質コンテンツ」とは限らない

  • AIを使えば驚くほど手軽にコンテンツを量産できる。
  • しかし「検索結果で上位表示されるか」は別問題で、質の伴わない量産では上がらない。
  • 結果として、「AIでものすごい数のSEO記事を作るだけ」では勝てず、人間の視点で高品質かつ専門性・オリジナリティを出す工夫が必須。

2. 「Google検索が終わる?」それはまだ先

  • AI検索(生成AIによる回答)に移行しつつあるが、一般ユーザーは長い質問文を入力したり、複数の手順で深掘りすることにまだ慣れていない。
  • 一方、Googleも膨大なインデックスを持ち、既に検索体験をアップデート(AI要約など)させ始めている。
  • 「結局Googleの時代は終わらない」というより、AIの活用を前提とした検索エンジンに進化し続ける可能性が高い。

3. SEOはブランドや編集の概念へシフト

  • いまのSEOは「テクニカルなハックやキーワード詰め込み」より、企業や個人の固有のブランド力や専門性(E-E-A-T的な要素)を重視される。
  • AIで質の高いコンテンツを量産できるなら、「誰が編集し、どの視点で差別化をはかるのか」が決定打。
  • いわば“編集者”の役割を果たす人材が重要であり、適切なマルチメディア化やSNSへの展開なども含め、俯瞰的なディレクション力が求められる。

4. 今後のSEOとAI

  • 企業サイトやメディア運営の現場では、AIによる効率化が大幅に進む一方で、AIの出力をそのまま公開すると誤った情報や似通った文章ばかりになりがち。
  • 組織への導入時は、コンテンツの方向性を決める「意思決定」「最終チェック」を人間が行い、AIでスピードを上げる。
  • 豊藏さんは自著『AI時代のSEO戦略』でも、こうした“編集×AI”の重要性を繰り返し強調しているとのこと。

ゆるっとクロストーク

トーク後半では、あやみさんと豊藏さんが互いの話題や参加者からのチャットを拾いながら、具体的なTipsを交換。

個人ブログやメディアの伸ばし方

  • AIを使っても差別化が難しいのが現状。
  • だからこそ「本人の体験・独自エピソード」を核にコンテンツを展開し、SNSでバズらせつつSEO向けにテキスト整備する形がおすすめ。
  • ポッドキャスト音声を文字起こしし、SNS投稿・短尺動画クリップ・記事まとめなどに転用すると、1つのネタから大量の派生コンテンツを生み出せる。

事業づくりとAI

  • AIを活用すれば、これまでと比べて企画やプランニングのハードルが圧倒的に下がる。
  • 「まだ誰もやっていない組み合わせ」や「未開拓のニッチ分野」に挑戦しやすくなった。
  • 何か始める際にAIで一通りのプランを作ってしまい、あとは実際にユーザーへアプローチして反応を見る——そうした小回りの効くプロトタイピングが個人でも可能になる。

企業・組織へのAI導入で気をつけたいこと

  • 広告運用やSEOのように、既存ノウハウの大部分がAIに置き換わるケースは増える。
  • しかし「なぜそうなるか」を説明しないと社内調整が難しく、誤った使い方をしたり中途半端に終わる危険も。
  • 最初は小さな成功事例(例: ベネフィット転換コピーでCVR〇%改善、など)を積み重ねると、組織内で理解・評価されやすい。

イベントの総括・見解

  1. 生成AIは「下ごしらえ」と「量産」向き
    文章・コード・画像など幅広い生成が可能だが、最終的な品質調整や独自性付加は人間が行わないと“似たり寄ったり”なコンテンツが氾濫してしまう。
  2. 広告やSEOにおける「編集者」的思考が重要
    • 広告コピーならユーザーが欲しい体験や共感ポイントを抽出する。
    • SEOなら誰に向けて何を差別化要素にするかを企画し、AIが生み出した下書きを“磨く”工程が必要。
  3. ブランド戦略やコミュニティ運営と相性が良い
    AIによって情報発信の労力が減るため、「コンテンツをとにかく増やし、反応を見ながら最適化する」というアプローチが個人・企業問わず進めやすくなった。
  4. GoogleもAIを中心に進化中だが、当面は検索需要が消えない
    • AI検索が拡大しても、ユーザーが慣れるまでは既存検索との併用が続く。
    • Googleは情報品質を守るために独自にAIを強化しており、SEOも形を変えて生き残る可能性が高い
  5. 個人でも新しいプロジェクトを作りやすい時代に
    • 小さなところからAIを試し、ユーザーとの接点を増やせば、新しい企画やコミュニティも爆速で形にできる。
    • 「計画づくり」も「検証」も容易になったいまこそ、行動しないままスルーしてしまうのはもったいない。

まとめ

オンラインBarらしいカジュアルなトークのなか、広告・SEO双方の立場から「AIをどう実務レベルで使いこなすか?」が話し合われた今回のイベント。

  • あやみさんは、広告やWeb制作現場での具体的な活用事例を紹介。「生成AIでできることは多いが、評価軸を持った人間の最終判断が必要」と強調。
  • 豊藏さんは、SEOの現場が「AI時代にどう再定義されるか」を解説。「単なるハックや量産の時代は終わり、ブランドや編集の視点が大切になる」との見解を示しました。

チャット上では参加者から「広告×AI」「SEO×AI」に関する質問が多く飛び交い、「どう現場に落とし込むか」「今後どんな事業が作れるか」などに話題が及ぶ、刺激的な1時間となりました。

シンクムーブ豊藏コメント
今回、「生成AI×マーケティング」を主催されているあやみさんとAI×マーケティングイベントを企画・実施させていただきました。

木曜日の夜のオンラインライブだったため、当日ご参加出来なかった方も多かったですが、参加者の方からは「掛け合いが聞いてて心地よかったです。」「とても楽しく学びが大きいイベントでした!」など温かいコメントを頂けて、とても嬉しかったです!改めてご参加いただいた皆様ありがとうございました。

あやみさんとは、「【第1回】生成AI×マーケティング」イベントで初めてお会いしました。定期的にこうしたイベントも企画されている方ですので、気になっている方はぜひあやみさんをフォローしてお待ちください!


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この記事を書いた人

シンクムーブ株式会社は人間ならではの洞察力・共感力とIT・SEO・AIの力を組み合わせてマーケティングの価値を最大化する会社です。

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