2026年のSEO戦略「やらないこと」を決める3つの撤退ライン

シンクムーブの豊藏です。
2026年に入り、SEOの世界に大きな変化を感じます。
キーワードで上位を取り、流入を増やし、コンバージョンにつなげる。そんな目論見が、難しくなりつつあることに気づいている方も多いのではないでしょうか。
私自身、2022年末からAIを業務に取り入れてきましたが、2025年の変化は別次元な印象です。
生成AIによるコンテンツ制作が当たり前になり、すでに積極的あるいは部分的にChatGPTなどの生成AIツールを取り入れているSEO担当者は非常に増えてます。
競合の手数も確実に増えてます。しかし、あなたのリソースは変わっていない。
この状況で「何もしないと下がる」というのは、もはや当たり前の現実です。では、どうすればいいのでしょうか。
この記事では、AI時代に求められるのは「何をやるか」ではなく「何をやめるか」の判断力というお話をします。
「やらないこと」を決めるのが重要なフェーズに入った。
SEOに取り組む多くの企業が陥っているパターンがあります。
施策は動いている。コンテンツも作っている。でも、なぜか前に進んでいる実感がない。
そして気づけば、担当者は疲弊します。
この「前に進まない」の正体は、実はタスクの量ではありません。「決めきれない状態が続くこと」が、負荷と停滞感の正体です。
判断材料が揃わないまま、意思決定を迫られる。
誰も確信を持てないまま、施策だけが進む。
ひとりで抱え込み、うまく説明できない。
これらはすべて、「やるべきことの定義」ではなく「やらないことの定義」が欠けているから起こる問題です。
特にSEO、いわゆるオーガニック施策は「不確実なゲーム」です。広告のように投資と成果が直結しない。やれば必ず上がるというレシピが存在しない。だからこそ、全部やろうとすると破綻します。
AI時代に起きている3つの構造変化
SEO担当者が判断すべきことを考える前に、まず環境の変化を正確に理解しておく必要があります。
コンテンツの「量」の競争が激化している
生成AIの登場により、コンテンツを作るコストは劇的に下がりました。
一見良いですが、これは諸刃の剣ですよね。
あなたがAIを使って効率化できるということは、競合も同じことができるということ。むしろ、今まで参入できなかったプレイヤーまでコンテンツを量産できるようになりました。
つまり、「たくさん作れば勝てる」という時代は完全に終わりました。量の勝負では、資本力のある大企業か、AIを使い倒す個人に勝てません。
検索結果の「見た目」が変わっている
GoogleのAI Overview(AIによる概要)の登場により、検索結果の上部がAIによる回答で埋まるケースが増えています。
これにより、従来の「1位を取れば流入が取れる」という前提が揺らいでいます。一部の調査では、AI Overviewの表示によりオーガニック検索のクリック率が30%前後減少したケースも報告されています。
検索順位は以前と変わらないのに、アクセスだけが激減する。
この「ゼロクリック検索」の増加は、SEO担当者にとって無視できない現実です。
検索行動そのものが変化している
より根本的な変化として、ユーザーの検索行動自体が変わり始めています。
サイバーエージェントの調査によると、10代では検索行動におけるChatGPTの利用率(42.9%)がYahoo! JAPAN(31.7%)を上回っています。また、検索エンジンの代替として生成AIを利用したことのあるユーザーのうち、70.5%が「現在も生成AIを利用」と回答しています。
これは単なるツールの変化ではありません。「知りたいことがあったらGoogleで検索する」という行動様式そのものが、若い世代を中心に変化しつつあります。
SEO担当者が判断すべき「3つの撤退ライン」
では、こうした環境変化の中で、SEO担当者は何を判断すべきなのでしょうか。
私が提案するのは、「撤退ライン」という考え方です。
戦略的に「やらない」と決めることで、本当に注力すべきことにリソースを集中させる。これが、AI時代のSEOで成果を出すための鍵です。
撤退ライン1:狙った流入ではないクエリ
順位が下がったキーワード、あるいは順位は維持しているものの期待したコンバージョンにつながっていないキーワード。これらに対して、同じリソースを投下し続ける意味があるでしょうか。
「せっかく作ったコンテンツだから」「過去に成果が出ていたから」という理由で、成果の出ないクエリに執着するのは、限られたリソースの無駄遣いです。
冷静にデータを見て、「このクエリはもう追わない」と決める。これが最初の撤退ラインです。
撤退ライン2:AIで代替される情報提供型コンテンツ
「○○とは」「○○の方法」といった一般的な情報提供型のコンテンツは、AI Overviewで回答されやすい領域です。
こうしたコンテンツを作り続けても、ユーザーは検索結果ページで情報を得て、サイトに訪問しない可能性が高まっています。
情報提供型コンテンツが不要だとは言いません。しかし、そこに「量」で勝負するのは得策ではありません。意図を持った情報提供型コンテンツは重要ですが、闇雲に作ることが決して解決策ではないと感じます。
撤退ライン3:検索流入「だけ」に依存する集客構造
これが最も重要な撤退ラインかもしれません。
SEO担当者として、検索流入を増やすことに全力を注いできた方も多いでしょう。しかし、検索という入口自体が変化している今、「検索流入だけで事業を支える」という構造そのものを見直す必要があります。
YouTube、SNS、メルマガ。これらは「SEOの代わり」ではなく、「検索だけに依存しない集客構造」を作るための手段です。
SEO担当者の仕事が「検索で上位表示する」から「オーガニックな集客全体を設計する」に変わりつつある。この認識の転換が求められています。

まず何から始めるか:撤退ラインのセルフチェック
ここまで読んで、「考え方はわかった。でも具体的に何から手をつければ?」と思った方もいるかもしれません。
まずは、Search Consoleを開いて、以下の3つを確認してみてください。
- 表示回数は多いがCTRが低いクエリ(過去6ヶ月):実際にそのクエリで検索して、AI Overviewや広告が上部を占めていないか確認
- 流入はあるがCVに繋がっていないページ:GA4の「ページとスクリーン」レポートでCVRを確認し、該当ページの主要クエリをSearch Consoleで特定
- 順位が10〜20位で停滞しているクエリ:半年以上動いていなければ、リソースを投下し続ける価値があるか再検討
場合によっては、Google Tag Managerの設定をし、LookerStudioで可視化から始めるのも手だと思います。可能であればプロに相談しましょう。
撤退したリソースで「何をするか」
やらないことを決めた。では、空いたリソースで何をすべきなのでしょうか。
取り組み1:一次情報・独自視点の強化
AIが代替できないのは、「その人にしか書けないこと」です。
自社の事例、失敗談、顧客の声、業界の内部事情。こうした一次情報は、どれだけAIが進化しても生成できません。
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点からも、Googleはこうしたコンテンツを高く評価しています。
コンテンツの量を減らしてでも、一次情報を含む質の高いコンテンツを作る。これが、AI時代のSEOで差別化を図る王道です。
取り組み2:検索以外のチャネル構築
検索流入が不安定になっている今、他のチャネルを持っておくことはリスクヘッジとして重要です。
YouTubeやSNSがこれに当たります。SNSでのプレゼンスは、ブランド認知度の向上を通じて「指名検索」の増加にもつながります。
2025年は、SEOを意識したコンテンツを作った上で、You TubeやSNSなどで再活用するコンテンツリパーパシングを行う会社が増えました。
SEOコンテンツを「ストック型(長期的に効く記事)」から「フロー型(拡散されやすい動画/SNS)」に変換してアクセスを安定化させる効果が実証されています。
取り組み3:既存顧客・リードへのアプローチ強化
新規獲得にばかり目が向きがちですが、既存顧客へのアプローチは見落とされがちな成長機会です。
メルマガ、CRM、アプリ通知。すでに接点のある顧客に対して、適切なタイミングで適切な情報を届ける。これは検索アルゴリズムの変動に左右されない、安定した集客基盤になります。
新規獲得のコストが上がっている今こそ、既存顧客の価値を最大化する取り組みに注力すべきです。
自社だけで決めにくい。2026年はかがむ時期かもしれない。
ここまで読んで、「やることはわかった。でも、実行できない」と感じた方もいるかもしれません。
それは当然のことです。なぜなら、自社だけで判断して決めきるのは、構造的に難しいからです。
社内には様々なステークホルダーがいます。経営は「なぜやめるのか」の説明を求める。
現場は「せっかく作ったのに」と抵抗する。
そして何より、SEO担当者自身が「本当にやめていいのか」と迷う。
2026年は、AIを含めて生産性が爆発的に上がり、従来の施策の効果が相対的に下がってくる局面になると感じています。つまり、今は「かがむ時期」です。新しい勝ち筋を探す、混沌の時期とも感じています。
こうした状況では、外部の視点が有効です。フラットニュートラルに、その会社の状況を見て、どんな問題があって、どんな強みを持っていて、今後どう動いていけばいいのか。アドバイスというより、一緒に考えて決めて、実際にアクションをガンガン動かしていく。そういった道筋を立てられる人間が一人いると、判断が加速します。
おわりに:判断する力を磨くために
AI時代のSEO担当者に求められるのは、作業をこなす力よりも、判断する力が必要になったように感じます。
何をやるか。何をやめるか。その判断基準を持ち、迷いなく実行に移せること。これが、これからのSEO担当者の価値になります。
もし、自社のSEO戦略について壁打ちしたい、判断の軸を一緒に作りたいとお考えの方は、まずは60分の無料相談からでも、お気軽にお声がけください。
「施策は動いているのに、誰も納得していない」
その状態から抜け出すきっかけを、一緒に作れれば幸いです。
この記事が、AI時代のSEOに取り組むあなたの「判断」の一助になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!



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