AI生成記事は、本当に読者から敬遠されているのか?|AI時代のWebコンテンツ閲読実態調査 詳細報告書

シンクムーブ株式会社(ThinkMove Inc.)は、生成AIの普及後におけるWeb記事・ブログ・コラムの閲読実態を把握するため、全国15〜99歳・男女を対象としたスクリーニング調査(n=1,000)と、Web記事閲読および生成AI接触経験のある層を対象とした本調査(n=210)を実施した。

本報告書は、同調査の結果を事実ベースで整理したものである。前提として、本調査(n=210)は一般人口の代表サンプルではない。Web記事を読み、生成AIにも接触経験のある層に限定した調査であるため、結果を一般生活者全体にそのまま拡大して解釈することはできない。

ただし、本調査の範囲では、生成AIの利用がWeb記事閲読を単純に代替しているとは言い切れない結果が確認された。

生成AIを週3回以上使う層では、月1回以上Web記事を読む割合が86.0%であり、AIで調べた後に検索エンジンで記事を探す行動も、本調査回答者の73.8%で確認された。

一方、記事からの離脱理由では、「AI・ロボットが書いたような文章に感じる」(17.1%)よりも、「結論・答えがはっきりしない、ぼかされている」(44.8%)、「同じような内容が何度も繰り返される」(43.8%)、「広告・アフィリエイト目的に感じる」(38.6%)が上位だった。

本報告書では、調査概要、スクリーニング結果、本調査の設問別結果、そこから確認できる範囲の示唆、調査上の注意点を順に記載する。

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調査概要

項目内容
調査名AI時代のWebコンテンツ閲読実態調査
調査主体シンクムーブ株式会社(ThinkMove Inc.)
調査方法インターネット定量調査(調査パネル利用)
スクリーニング対象全国15〜99歳・男女
スクリーニング有効回答数n=1,000
スクリーニング調査日2026年3月10日
本調査対象Web記事閲読および生成AI接触経験のある層
本調査有効回答数n=210
本調査日2026年3月12日
設問数スクリーニング2問、本調査12問(Q12は6項目MTS)

集計・表記上の注意

本報告書では、比率を原則として小数第2位で四捨五入し、小数第1位で表記する。複数回答(MA)の設問は、構成比の合計が100%を超える。

本文中の表は、原則として各設問の全選択肢を掲載している。一方、図表は可読性を優先し、「その他」など低回答率の選択肢を省略している場合がある。正確な全選択肢の数値は、本文表を参照されたい。

本調査内のQ4およびQ5は、Q3で「AIで調べた後に、検索エンジンで記事を探す」行動が「よくある」「ときどきある」「たまにある」と回答した人を対象としており、分母はn=155である。

本調査は、Web記事閲読および生成AI接触経験のある層を対象としている。したがって、本調査の結果は「Web記事にも生成AIにも接触している読者層の傾向」として扱う必要がある。

本調査・スクリーニングから確認された主要ファクト

スクリーニング調査および本調査から確認された主要な結果は以下である。

項目結果
全国スクリーニングで月1回以上Web記事を読む割合66.3%
生成AIを週3回以上使う層で月1回以上Web記事を読む割合86.0%
生成AIを週3回以上使う層でほぼ毎日Web記事を読む割合50.6%
AIで調べた後に検索エンジンで記事を探す行動がある割合73.8%
AI生成と分かっても条件付きで読み続ける割合83.3%
記事離脱理由「結論・答えがはっきりしない」44.8%
記事離脱理由「同じような内容が何度も繰り返される」43.8%
記事離脱理由「広告・アフィリエイト目的に感じる」38.6%
記事離脱理由「AI・ロボットが書いたような文章に感じる」17.1%
信頼できる記事の特徴「具体的な数字・データが載っている」50.5%
信頼できる記事の特徴「一次情報が含まれている」47.1%

これらの結果から、本調査の範囲では、読者が記事を離脱する主因は「AI生成であること」そのものよりも、結論の不明瞭さ、内容の重複、広告色の強さなど、読む価値に到達しにくい状態にあると整理できる。

ただし、これは「AI生成であることが読者評価に影響しない」という意味ではない。Q8では「読む優先度が下がり、別の記事を探すことが多い」が12.4%、「そのページを閉じる」が4.3%存在する。AI生成であることを理由に一定の警戒や離脱が発生する層は確認されている。

スクリーニング結果: Web記事閲読と生成AI利用の基礎分布

SQ1. 過去1ヶ月間にWeb記事・ブログ・コラムを読んだか

スクリーニング調査(n=1,000)では、過去1ヶ月間にWeb記事・ブログ・コラムを月1回以上読んだ人は66.3%だった。内訳は、「ほぼ毎日読む」30.6%、「週に2〜3回程度読む」18.3%、「週に1回程度読む」9.2%、「月に1〜2回程度読む」8.2%である。

回答人数構成比
ほぼ毎日読む30630.6%
週に2〜3回程度読む18318.3%
週に1回程度読む929.2%
月に1〜2回程度読む828.2%
ほとんど読まない33733.7%

本結果から、スクリーニング対象全体の約3分の2が、月1回以上はWeb記事・ブログ・コラムに接触していることが確認された。

SQ2. 生成AIの利用経験

同じくスクリーニング調査(n=1,000)では、ChatGPT、Google Gemini、Perplexityなどの生成AIを「日常的に使っている(週に3回以上)」人は17.8%だった。「ときどき使っている(週に1〜2回)」は14.6%、「たまに使う(月に1〜3回)」は12.0%である。

回答人数構成比
日常的に使っている(週に3回以上)17817.8%
ときどき使っている(週に1〜2回)14614.6%
たまに使う(月に1〜3回)12012.0%
ほとんど使わない・使ったことがない55655.6%

生成AIを月1回以上使う層は44.4%であり、週3回以上のヘビーユーザー層は17.8%だった。

生成AI週3回以上利用者におけるWeb記事閲読頻度

スクリーニング調査のクロス集計では、生成AIを週3回以上使う層(n=178)のうち、月1回以上Web記事を読む人は86.0%だった。ほぼ毎日読む人も50.6%である。

生成AI週3回以上利用者のWeb記事閲読頻度人数構成比
ほぼ毎日読む9050.6%
週に2〜3回程度読む3419.1%
週に1回程度読む158.4%
月に1〜2回程度読む147.9%
ほとんど読まない2514.0%

この結果は、生成AI利用とWeb記事閲読が必ずしも排他的ではないことを示している。ただし、これは相関の確認であり、「生成AIを使うことがWeb記事閲読を増やす」という因果関係を示すものではない。生成AIをよく使う層が、もともと情報収集に積極的な層と重なっている可能性がある。

本調査結果: Web記事を読む場面とAI・検索エンジンの使い分け

Q1. 検索してWeb記事・ブログを読む場面

本調査回答者(n=210)に、検索してWeb記事・ブログを読む主な場面を複数回答で聞いたところ、最も高かったのは「商品・サービスを購入する前に比較したい」67.1%だった。次いで、「体験談や口コミを確認したい」50.5%、「手順・やり方を調べたい(ハウツー)」39.0%が続いた。

回答人数構成比
商品・サービスを購入する前に比較したい14167.1%
体験談や口コミを確認したい10650.5%
手順・やり方を調べたい(ハウツー)8239.0%
公式サイト・公的機関などの一次情報を確認したい7435.2%
AIで調べた回答を確認・裏取りしたい6531.0%
専門家・第三者の意見を知りたい5727.1%
深く読み込みたいトピックを詳しく知りたい5425.7%
最新情報や法改正など、鮮度のある情報が欲しい5224.8%
その他10.5%

本調査対象者において、Web記事は購入前比較、口コミ・体験談の確認、手順確認、一次情報確認などの用途で読まれている。AIで得た回答の確認・裏取りを目的とする回答も31.0%確認された。

Q2. 検索エンジンとAIの使い分け

Web記事を探す時、検索エンジンとAIをどのように使い分けるかを聞いたところ、「主に検索エンジン、AIはたまに使う」が43.3%で最も高かった。「ほぼ検索エンジンだけ使う」は20.0%であり、両者を合計した検索中心の回答は63.3%だった。

回答人数構成比
ほぼ検索エンジンだけ使う4220.0%
主に検索エンジン、AIはたまに使う9143.3%
検索エンジンとAIを同じくらい使う5425.7%
主にAI、検索エンジンはたまに使う115.2%
ほぼAIだけ使う41.9%
どちらも同じようなシーンで使う(使い分けていない)83.8%

本調査対象者では、Web記事探索において検索エンジンを主軸にする層が多数だった。一方で、検索エンジンとAIを同じくらい使う人も25.7%存在する。主にAIまたはほぼAIだけを使う層は合計7.1%だった。

本調査結果: AIで調べた後に記事を探す行動

Q3. AIで調べた後に検索エンジンで記事を探すことがあるか

「AIで調べた後に、検索エンジンで記事を探す」という行動について、「よくある」15.7%、「ときどきある」31.4%、「たまにある」26.7%だった。これらを合計すると73.8%である。

回答人数構成比
よくある3315.7%
ときどきある6631.4%
たまにある5626.7%
ほとんどない2612.4%
まったくない157.1%
AIをほぼ使わないので該当しない146.7%

この結果から、本調査対象者の多くが、AIの回答を得た後に検索エンジンとWeb記事へ移動する行動を経験していることが分かる。

Q4. AIで調べた後に検索記事を探す理由

Q3で「よくある」「ときどきある」「たまにある」と回答した人(n=155)に理由を聞いたところ、最も高かったのは「AIの回答が正しいか確認したい(裏取り)」56.1%だった。次いで、「より詳しい情報・具体的な事例が欲しい」52.3%、「公式サイト・公的機関などの一次情報を確認したい」40.0%が続いた。

回答人数構成比
AIの回答が正しいか確認したい(裏取り)8756.1%
より詳しい情報・具体的な事例が欲しい8152.3%
公式サイト・公的機関などの一次情報を確認したい6240.0%
最新情報かどうか確認したい4428.4%
実際に体験した人の声が知りたい2113.6%
AIの回答に自信が持てなかった1912.3%
その他10.6%

AI後にWeb記事へ移動する理由は、裏取り、詳細確認、一次情報確認が中心だった。本設問は複数回答であり、AI回答の検証と詳細情報の取得が同時に選択されている可能性がある。

Q5. AIで調べた後に検索記事を読んだ結果

Q3で「よくある」「ときどきある」「たまにある」と回答した人(n=155)に、検索記事を読んだ後の結果を聞いたところ、「記事を読んで解決した」が36.8%だった。「AIの回答で十分だったと再確認できた」は25.8%、「どちらとも言えない」も25.8%だった。

回答人数構成比
記事を読んで解決した5736.8%
AIの回答で十分だったと再確認できた4025.8%
AIも記事も不十分で、解決しなかった1811.6%
どちらとも言えない4025.8%

AI後に検索記事を読んだ結果として、記事単体で解決したケースだけでなく、AIの回答が十分だったと再確認するケースも一定数存在した。この結果は、Web記事がAI回答の代替情報としてだけでなく、確認材料としても使われている可能性を示している。

本調査結果: 検索記事の質への評価と離脱要因

Q6. 検索して出てくる記事の質・内容への評価

最近検索して出てくる記事の質・内容について、「とても満足している」12.4%、「やや満足している」47.1%だった。満足計は59.5%である。「どちらともいえない」は33.3%、「やや不満を感じている」と「とても不満を感じている」の合計は7.1%だった。

回答人数構成比
とても満足している2612.4%
やや満足している9947.1%
どちらともいえない7033.3%
やや不満を感じている115.2%
とても不満を感じている41.9%

本調査対象者では、検索記事の質・内容に対して明確な不満を示す回答は少数だった。一方で、「どちらともいえない」が33.3%存在しており、満足・不満のどちらにも寄っていない層も一定数確認された。

Q7. 記事を読んでいて離脱する理由

記事を読んでいて「離脱する(読むのをやめる)」理由を複数回答で聞いたところ、最も高かったのは「結論・答えがはっきりしない、ぼかされている」44.8%だった。次いで「同じような内容が何度も繰り返される」43.8%、「広告・アフィリエイト目的に感じる」38.6%が続いた。

順位回答人数構成比
1結論・答えがはっきりしない、ぼかされている9444.8%
2同じような内容が何度も繰り返される9243.8%
3広告・アフィリエイト目的に感じる8138.6%
4自分の知りたいことと違う内容だった7033.3%
5読みにくい・見づらい6229.5%
6情報が古い・更新されていない6028.6%
7AI・ロボットが書いたような文章に感じる3617.1%
8著者・専門家の素性がわからない2210.5%
9その他21.0%

上位3項目は、AI生成であるかどうかよりも、記事の構造・情報設計・広告表現に関わる要素である。Q7の結果だけを見る限り、「AI・ロボットが書いたような文章に感じる」は離脱理由として一定数存在するが、上位要因ではなかった。

本調査結果: AI生成記事への反応と「AIっぽさ」の認識

Q8. 記事がAI生成だと分かった場合の反応

読んでいた記事がAIによって生成されたものだと分かった場合の反応を聞いたところ、「内容がよければ読み続ける」が42.9%で最も高かった。「少し気になるが、基本的には読み続ける」32.9%、「まったく気にせず読み続ける」7.6%を合計すると、条件付きで読み続ける層は83.3%となる。

回答人数構成比
内容がよければ読み続ける9042.9%
少し気になるが、基本的には読み続ける6932.9%
まったく気にせず読み続ける167.6%
読む優先度が下がり、別の記事を探すことが多い2612.4%
そのページを閉じる94.3%

この結果から、本調査対象者では、AI生成と分かった時点で即座にページを閉じる回答は4.3%だった。一方で、「読む優先度が下がり、別の記事を探すことが多い」は12.4%であり、AI生成であることが一定の警戒につながる層も存在する。

Q9. 「AIが書いたっぽい」と感じる要因

「この記事、AIが書いたっぽい」と感じる要因を複数回答で聞いたところ、最も高かったのは「回りくどくて結論までが長い」33.8%だった。次いで、「具体的なエピソードや体験談がない」32.9%、「定型フレーズが多い」31.0%、「情報が浅い・表面的すぎる」30.0%が続いた。

順位回答人数構成比
1回りくどくて結論までが長い7133.8%
2具体的なエピソードや体験談がない6932.9%
3「〜についてご説明します」「まとめると」などの定型フレーズが多い6531.0%
4情報が浅い・表面的すぎる6330.0%
5同じ表現・フレーズが繰り返される6129.0%
6文章のトーンが終始同じで感情がない5325.2%
7著者の個人的な意見・スタンスがない2511.9%
8その他41.9%

Q9で上位に出た項目は、Q7の離脱理由とも一部重なる。特に、結論までが長いこと、具体的な体験やエピソードがないこと、定型表現が多いこと、情報が浅いことは、読者が「AIっぽい」と認識する要因として確認された。

本調査結果: 信頼される記事の特徴

Q10. 信頼できると感じる記事の特徴

AI生成かどうかに関わらず、「このコンテンツは信頼できる」と感じる記事の特徴を複数回答で聞いたところ、最も高かったのは「具体的な数字・データが載っている」50.5%だった。次いで、「一次情報(取材・実体験・独自調査)が含まれている」47.1%、「参考文献・出典が明記されている」39.5%が続いた。

順位回答人数構成比
1具体的な数字・データが載っている10650.5%
2一次情報(取材・実体験・独自調査)が含まれている9947.1%
3参考文献・出典が明記されている8339.5%
4著者の名前・専門性・プロフィールが明記されている7937.6%
5更新日が新しい6832.4%
6読んでいてスッキリ理解できる構成5626.7%
7自分の体験と一致する内容が書かれている3717.6%
8その他10.5%

上位には、数字・一次情報・出典・著者情報・更新日など、情報の根拠を確認しやすくする要素が並んだ。少なくとも本調査対象者では、信頼の判断材料として、文体だけでなく検証可能性に関わる情報が重視されている。

本調査結果: AI利用頻度の変化と情報ニーズ別の利用先

Q11. 1〜2年前と比べたAI利用頻度の変化

1〜2年前と比べて情報収集にAIを使う頻度が変わったかを聞いたところ、「大幅に増えた」21.9%、「やや増えた」43.3%だった。増加計は65.2%である。

回答人数構成比
大幅に増えた4621.9%
やや増えた9143.3%
変わらない5325.2%
やや減った83.8%
AIをずっと使っていない125.7%

本調査対象者では、情報収集にAIを使う頻度が増えたと回答した人が多数だった。これは、本調査の対象が生成AI接触経験者であることを踏まえて読む必要がある。

Q12. 情報ニーズ別にAIとWeb記事のどちらを使うか

情報ニーズ別に、AIとWeb記事のどちらを使うかを聞いたところ、Web記事を使う割合が最も高かったのは「口コミ・体験談を知りたい」54.3%だった。次いで、「信頼できる数字・データが欲しい」51.4%、「商品・サービスを比較・選定したい」51.0%が続いた。

情報ニーズAIを使うWeb記事を使うどちらも使うどちらも使わない
概念・言葉の意味を理解したい23.8%39.1%36.2%1.0%
商品・サービスを比較・選定したい11.4%51.0%36.2%1.4%
口コミ・体験談を知りたい11.0%54.3%31.4%3.3%
手順・やり方を知りたい(ハウツー)24.3%29.5%43.3%2.9%
最新情報を知りたい14.3%48.1%35.7%1.9%
信頼できる数字・データが欲しい11.9%51.4%33.8%2.9%

Web記事が単独で選ばれやすい領域は、口コミ・体験談、数字・データ、商品・サービス比較、最新情報だった。一方、「手順・やり方を知りたい(ハウツー)」では「どちらも使う」が43.3%で最も高かった。

この結果から、情報ニーズによってAIとWeb記事の役割が異なることが確認できる。Web記事は、体験談、比較、数字・データ、最新情報の確認で選ばれやすく、AIは概念理解や手順確認において一定の利用がある。

設問横断で見た結果の整理

1. 生成AI利用とWeb記事閲読は、単純な代替関係としては説明しきれない

スクリーニングでは、月1回以上Web記事を読む割合は全体で66.3%だった。生成AIを週3回以上使う層に限ると、月1回以上Web記事を読む割合は86.0%、ほぼ毎日読む割合は50.6%だった。

この結果は、生成AIの利用頻度が高い層ほどWeb記事を読まなくなる、という単純な見方とは一致しない。ただし、これは因果関係ではなく相関である。生成AIを高頻度で使う層は、もともと情報収集量が多い層である可能性がある。

本調査Q3でも、AIで調べた後に検索エンジンで記事を探す行動がある人は73.8%だった。Q4では、その理由として「AIの回答が正しいか確認したい(裏取り)」56.1%、「より詳しい情報・具体的な事例が欲しい」52.3%、「一次情報を確認したい」40.0%が上位だった。

これらを合わせると、本調査対象者においては、AIが情報収集の入口になった後も、裏取り、詳細確認、一次情報確認のためにWeb記事が使われていることが確認できる。

2. 離脱要因は「AIっぽさ」単独ではなく、価値到達を妨げる要素に集中している

Q7の離脱理由では、「結論・答えがはっきりしない、ぼかされている」44.8%、「同じような内容が何度も繰り返される」43.8%、「広告・アフィリエイト目的に感じる」38.6%が上位だった。

一方、「AI・ロボットが書いたような文章に感じる」は17.1%で7位だった。AI生成らしさが離脱理由にならないわけではないが、本調査では上位要因ではなかった。

Q9では、「AIが書いたっぽい」と感じる要因として「回りくどくて結論までが長い」33.8%、「具体的なエピソードや体験談がない」32.9%、「定型フレーズが多い」31.0%が上位だった。これらは、単なる文体の問題だけではなく、結論提示、具体性、情報密度に関わる要素である。

3. AI生成と分かっても、内容条件付きで読み続ける層が多数だった

Q8では、AI生成と分かった場合でも、「内容がよければ読み続ける」42.9%、「少し気になるが、基本的には読み続ける」32.9%、「まったく気にせず読み続ける」7.6%だった。これらを合計すると83.3%である。

一方で、「読む優先度が下がり、別の記事を探すことが多い」は12.4%、「そのページを閉じる」は4.3%だった。AI生成であることは、即時離脱の多数派要因ではなかったが、読者の警戒や優先度低下につながる可能性はある。

したがって、AI生成記事に対する読者反応は二分法では捉えにくい。「AIだから読む/読まない」ではなく、「内容がよいか」「信頼できるか」「読みたい情報に早く到達できるか」によって反応が分かれている。

4. 信頼の判断材料は、検証可能性に関わる項目が上位だった

Q10では、「具体的な数字・データが載っている」50.5%、「一次情報が含まれている」47.1%、「参考文献・出典が明記されている」39.5%、「著者の名前・専門性・プロフィールが明記されている」37.6%、「更新日が新しい」32.4%が上位だった。

これらはいずれも、読者が情報の根拠を確認しやすくする要素である。AI生成かどうかに関わらず、信頼される記事には、数字、一次情報、出典、著者情報、更新日といった検証可能性が求められている。

Q12でも、「口コミ・体験談を知りたい」「信頼できる数字・データが欲しい」「商品・サービスを比較・選定したい」などの領域で、Web記事を使う回答が相対的に高かった。Web記事には、AI回答だけでは確認しにくい経験情報、比較情報、根拠情報を担う役割が残っている。

コンテンツ制作・編集への示唆

ここからは、調査結果をもとにした実務上の整理である。以下は調査データから確認できる傾向を前提とした考察であり、すべてのメディアや読者層に一律に当てはまるものではない。

編集投資の優先順位は、文体調整よりも構造改善を先に置く

Q7の離脱理由では、結論不明瞭、内容の重複、広告色の強さが上位だった。これらは、記事の文体というより、情報設計と編集構造の問題である。

したがって、AI生成記事への対応として「AIっぽい表現を消す」ことだけに工数を集中させると、主要な離脱要因を取りこぼす可能性がある。優先度が高いのは、結論を早く提示すること、同じ内容の繰り返しを削ること、広告・アフィリエイト要素と本文を明確に分けること、読者の知りたい情報に早く到達できる構成にすることである。

信頼形成には、検証可能な情報を記事内に残す

Q10では、数字・データ、一次情報、出典、著者情報、更新日が上位だった。これらは、読者が記事の根拠を確認するための手がかりである。

AIによって文章生成のコストが下がるほど、記事の差分は文章の流暢さではなく、固有の根拠に移りやすい。独自調査、取材、実体験、比較検証、一次情報へのリンク、著者の専門性、更新日などは、記事の信頼性を支える要素として扱う必要がある。

AI後の検索行動を前提に、記事の役割を再定義する

Q3とQ4では、AIで調べた後に検索エンジンで記事を探す行動と、その理由が確認された。AI後に記事を読む理由は、裏取り、詳細確認、一次情報確認が中心だった。

この結果から、Web記事はAIの前段にある入口コンテンツとしてだけでなく、AI回答の後に参照される検証コンテンツとしての役割も持つ。記事制作では、「検索流入を取る」だけでなく、「AI回答後に確認される情報源として成立するか」も評価対象になる。

調査の限界

本調査には以下の限界がある。

第一に、本調査(n=210)はWeb記事閲読および生成AI接触経験のある層を対象としており、一般人口全体を代表するものではない。

第二に、本調査は自己申告式のインターネット定量調査であり、実際の閲読ログや行動データを観測したものではない。回答者の記憶、認識、自己評価が結果に影響している可能性がある。

第三に、スクリーニング調査と本調査では対象者条件が異なる。スクリーニング結果と本調査結果を比較する際は、母集団の違いを考慮する必要がある。

第四に、生成AIの利用状況や検索行動は変化が速い。本調査は2026年3月時点の結果であり、今後の生成AIサービス、検索エンジン、メディア環境の変化によって結果が変わる可能性がある。

第五に、複数回答設問は合計が100%を超える。順位は回答率の高低を示すものであり、回答者一人あたりの重みや行動頻度を直接示すものではない。

まとめ

本調査の範囲では、生成AIの普及によってWeb記事閲読そのものが消失しているとは言えない。スクリーニングでは月1回以上Web記事を読む人が66.3%であり、生成AIを週3回以上使う層では月1回以上Web記事を読む人が86.0%だった。

本調査では、AIで調べた後に検索エンジンで記事を探す行動がある人が73.8%確認された。その理由は、AI回答の裏取り、より詳しい情報・具体例の確認、一次情報の確認が中心だった。

AI生成記事に対しては、AI生成と分かった場合でも、83.3%が条件付きで読み続けると回答した。即座にページを閉じる回答は4.3%だった。ただし、読む優先度が下がる回答も12.4%あり、AI生成であることが一定の警戒につながる層も存在する。

記事離脱の理由では、「AI・ロボットが書いたような文章に感じる」17.1%よりも、「結論・答えがはっきりしない」44.8%、「同じような内容が何度も繰り返される」43.8%、「広告・アフィリエイト目的に感じる」38.6%が上位だった。

信頼できる記事の特徴では、具体的な数字・データ、一次情報、参考文献・出典、著者情報、更新日が上位だった。AI生成かどうかに関わらず、読者は情報の根拠を確認できる記事を信頼しやすい。

以上から、AI時代のWebコンテンツにおいては、文体だけでなく、結論への到達速度、重複の少なさ、広告表現の明確さ、数字・一次情報・出典・著者情報・更新日といった検証可能性が評価軸として確認された。

出典表記のお願い

本調査結果を引用・転載いただく際は、以下のように出典を明記いただけますと幸いです。

出典: シンクムーブ株式会社「AI時代のWebコンテンツ閲読実態調査」(2026年3月実施)

グラフや数値を転載いただく場合は、調査対象・サンプル数・調査時期・複数回答の注記が分かる形で掲載いただけると、読者の方にとっても情報が正確に伝わりやすくなります。

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この記事を書いた人

豊藏 翔太のアバター 豊藏 翔太 シンクムーブ株式会社 代表取締役

エン・ジャパン株式会社にてIT/Web系の求人広告営業、ITコンサルティング企業でAIやRPAなどのITコンサルタントを経験後、「SEO Japan」を運営するアイオイクス株式会社に入社。

第1局長として大手企業を中心としたWebコンサルティングに携わった後、2024年12月にシンクムーブ株式会社を設立。アイオイクス株式会社フェローを兼務。

AIを活用したインハウスマーケティング共創支援サービスやセミナー、『AI時代のSEO戦略──組織を動かし成果を引き寄せる実務マネジメント』の出版など精力的に情報の発信を続けている。

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